神奈川県高等学校教職員組合HOMEPAGE
■ 第1 世界史A
第2節   地理歴史

第1款   目      標

   我が国及び世界の形成の歴史的過程と生活・文化の地域的特色についての理解と認識を深め,国際社会に主体的に生きる民主的,平和的な国家・社会の一員として必要な自覚と資質を養う。

第2款   各   科   目
第1 世界史A

   1    目         標
     近現代史を中心とする世界の歴史を,我が国の歴史と関連付けながら理解させ,人類の課題を多角的に考察させることによって,歴史的思考力を培い,国際社会に主体的に生きる日本人としての自覚と資質を養う。

   2    内         容
(1)    諸地域世界と交流圏
     風土,民族,宗教などに着目させながら,ユーラシアを中心に形成された諸地域世界の特質を把握させる。また,諸地域相互の交流に触れ,世界の一体化につながる交流圏の成立に気付かせる。
   東アジア世界
     東アジアの風土と諸民族,漢字文化,儒教,中国を中心とする国際体制に触れ,日本を含む東アジア世界の特質を把握させる。
   南アジア世界
     南アジアの風土と諸民族,仏教の成立,ヒンドゥー教とカースト制度,イスラームの影響に触れ,南アジア世界の特質を把握させる。
   イスラーム世界
     西アジアの風土と諸民族,イラン文明の伝統,イスラームの成立と拡大に触れ,イスラーム世界の特質を把握させる。
   ヨーロッパ世界
     ヨーロッパの風土と諸民族,ギリシア・ローマ文明の伝統,キリスト教に触れ,ヨーロッパ世界の特質を把握させる。
   ユーラシアの交流圏
     8世紀以降の諸地域世界の交流の深まりに触れ,ユーラシア規模の交流圏の成立とそれを支えた都市や港のネットワークを把握させる。
(ア)    海域世界の成長とユーラシア
     ムスリム商人のインド洋進出,中国商人の南シナ海進出を中心に,ユーラシアの諸海域を結ぶネットワークの成長を把握させる。
(イ)    遊牧社会の膨張とユーラシア
     内陸アジアの騎馬遊牧民,オアシス都市民の活動を中心に,陸のネットワークの成長とモンゴルによるユーラシアの一体化を把握させる。
(ウ)    地中海海域とユーラシア
     イタリア商人による東方貿易とイスラーム文明のヨーロッパへの流入を中心に,ユーラシア,アフリカとつながる地中海交流圏の成長を把握させる。
(エ)    東アジア海域とユーラシア
     元の大都を拠点とする東西交流と黄海や東シナ海における交易の活性化,倭寇(わこう),勘合貿易,琉球(りゅうきゅう)王国の交易活動を中心に,日本列島を含む東アジア海域の交流圏としての成長を把握させる。
(2)    一体化する世界
     16世紀以降の世界商業の進展と産業革命後の資本主義の確立を中心に,世界の一体化の過程を理解させる。その際,ヨーロッパの動向と日本などアジア諸国の対応に着目させる。
   大航海時代の世界
     大航海時代のヨーロッパとアフリカ,アメリカ,アジアとの接触・交流を扱い,16世紀の世界の一体化への動きを理解させる。
   アジアの諸帝国とヨーロッパの主権国家体制
     アジアの諸帝国の政治と社会,ヨーロッパの主権国家体制の成立,大西洋貿易の展開を扱い,17世紀及び18世紀の世界の特質を理解させる。
   ヨーロッパ・アメリカの諸革命
     産業革命,フランス革命,アメリカ諸国の独立,自由主義と国民主義の進展,拡大する貿易活動を扱い,ヨーロッパ・アメリカにおける資本主義の確立と国民形成を理解させる。
   アジア諸国の変貌と日本
     ヨーロッパの進出期におけるアジア諸国の状況,植民地化や従属化の過程での抵抗と挫(ざ)折,伝統文化の変容,その中での日本の対応を扱い,19世紀の世界の一体化とその特質を理解させる。
(3)    現代の世界と日本
     地球規模で一体化した現代世界の特質と展開過程を理解させ,人類の課題について考察させる。その際,世界の動向と日本とのかかわりに着目させる。
   急変する人類社会
     輸送革命,マスメディアの発達,企業や国家の巨大化,社会の大衆化と政治や文化の変容,公教育の普及と国民統合などを扱い,20世紀という時代の特質を人類史的視野から把握させる。
   二つの世界戦争と平和
     第一次世界大戦と第二次世界大戦の原因や総力戦としての性格,それらが及ぼした影響を理解させ,平和の意義などについて考察させる。
   米ソ冷戦とアジア・アフリカ諸国
     第二次世界大戦後の米ソ両陣営の対立,アジア・アフリカの民族運動と植民地支配からの独立を理解させ,核兵器問題やアジア・アフリカ諸国が抱える問題などについて考察させる。
   地球社会への歩みと日本
     1970年代以降の市場経済の世界化や地球規模での問題の出現を理解させ,日本が世界の諸国,諸地域と多様性を認め合いながら共存する方向などについて考察させる。
   地域紛争と国際社会
     冷戦終結後の世界で起こった地域紛争の原因や歴史的背景を追究させ,国際社会の変化や国民国家の課題などについて考察させる。
   科学技術と現代文明
     原子力の利用,情報科学,宇宙科学の出現など現代の科学技術の人類への寄与と課題を追究させ,人類の生存と環境,世界の平和と安全などについて考察させるとともに,国際的な交流と協調の必要性に気付かせる。

   3    内容の取扱い
(1)    内容の全体にわたって,次の事項に配慮するものとする。
   1の目標に即して基本的な事項・事柄を精選して指導内容を構成するものとし,細かな事象や高度な事項・事柄には深入りしないこと。
   諸地域世界,交流圏,国際関係の展開などを取り扱う際,比較文明的視点も考慮するとともに,各時代における世界の中に日本を位置付けて考察させること。
   風土,民族の扱い,人類の課題の考察,歴史地図の活用などについては,地理的条件との関連に留意すること。
(2)    内容の取扱いに当たっては,次の事項に配慮するものとする。
   内容の(1)のアからエまでについては,諸地域世界の特質を構造的視野から把握させるものとし,個々の地域を通史的に扱うことのないようにすること。また,東アジア世界の取扱いにおいては,日本を明確に位置付けること。
   内容の(1)のオについては,生徒の実態等に応じ,(ア)から(エ)までのうち二つ程度を選択して交流の具体的様相を把握させるものとし,詳細な交流史は扱わないこと。
   内容の(2)及び(3)については,次の事項に留意すること。
(ア)    客観的かつ公正な資料に基づいて歴史の事実に関する理解を得させるようにすること。
(イ)    政治,経済,社会,文化,生活など様々な観点から歴史的事象を取り上げ,近現代世界に対する多角的で柔軟な見方を養うこと。
   内容の(3)については,次の事項に留意すること。
(ア)    単に知識を与えるだけでなく,現代の世界が当面する課題について考察させること。その際,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,民主的で平和な国際社会を実現することが重要な課題であることを認識させること。
(イ)    内容のオ及びカについては,例示された課題などを参考に適切な主題を設定し,生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせるようにすること。