神奈川県高等学校教職員組合KHTU
神高教フックス速報
県人事委員会
  教員給料表を本化
  総括教諭の級を新設
  国家公務員に準じた給与構造の見直しを勧告

 神奈川県人事委員会は、10月12日、知事と県議会議長に対し、公民較差を反映して県職員の月例給を038%(1,711円)引き下げ、一時金を0.05月引き上げる本年の給与改定にかかわる勧告と、@教員給料表について現行小中給料表に一本化する、A教員給料表に総括教諭の級の創設する、B国家公務員に準じた給与構造の見直しを行う、ことを勧告しました。
 神高教は、給与構造の見直しついては日教組、公務員連絡会に結集し、@中央行動の参加、A職場決議文の人事院総裁宛送付、B人事院要求個人はがき送付、などの行動にとりくんできました。また、神奈川県人事委員会については、県労連に結集し、給与構造の見直しを国に追随して行わないことなどを求め、要求書提出、要求署名行動をとりくんできました。
 しかし、今年の勧告は、地域手当について県下一律支給に言及したことやメンタルヘルス対策に触れていることは評価できるものの、@教員の免許制度や学歴が高校教員と同様となってきたと認めているにも関わらず給料は中小への一本化となっていること(1級を除く)、A地方公務員に馴染まない地域給与の導入を行うこと、など容認できる内容ではありません。
 県労連は直ちに声明を発し、人事委員会勧告に対し抗議するとともに、確定闘争をたたかいぬく決意を表明しました。
 神高教は、とりわけ教員給料表の一本化について、賃金水準の維持・向上の視点から「所要の措置」の内容も含め積極的に交渉・協議にとりくむ必要があります。
平成17年
給与等に関する報告及び勧告の概要
平成行年10月、2日
、神奈川県人事委員会
<本年の勧告のポイント>
  1. 本年の給与改定
    〜平均年間給与は減少(行政職員△約5千円)〜
    ・公民給与の較差は2年振りのマイナス較差
     (△0.38%△1,711円)
    ・給料表及び扶養手当の引下げ
    ・期末・勤勉手当は8年振りの引上げ(0.05月)
  2. 給与構造の改革
    人事院勧告に準じた給料表水準の引下げ、地域手当の新設、給与カーブのフラット化、勤務実績の給与への反映
  3. 教員の給与の見直し
    ・総括教諭の級の創設、高等学校等教育職給料表と中学校、小学校等教育職給料表の統ー

<報告及び勧告の内容>
  1. 本年の給与改定
    平成}7年4月の公民較差に見合う改定を図ることを基調として次の措置をとる必要がある。

    給料表
    公民給与の較差がマイナスになったことから、すべての織斗表のすべての給料月額を引下げ。

    諸手当(初任給調整手当、扶養手当)
    初任給調整手当については、人事院勧告の内容を考慮して改定。
    扶養手当については、民間における配偶者と子2人についての家族手当の支給状況及び人事院勧告の内容を考慮して所要の改定。

    期末手当・勤勉手当等
    民間との均衡を図るため、支給月数を0.05月引上げ。(支給月数;職員4.40月、民間従業員4.46月)

    実施時期等
    給与改定を実施するための条例公布日の属する月の翌月の初日(公布日が月の初日であるときは、その日)から実施ただし、期末・勤勉手当等については、本年4月1日から実施
    また、公民較差相当分を解消する観点からの調整措置が必要。

      公民の給与比較
    職員の給与(A) 民間従業員の給与(B) (B)一(A)
    451.338円 449.627円 △1,711円(△O.38%)

  2. 給与構造の改革
     本年の人事院報告・勧告では、国家公務員の給与制度について、地場賃金を反映させるための地域間配分の見直し、年功的な給与上昇の抑制と職務‘職責に応じた俸給構造への転換及び勤務実績の給与への反映を柱とした、給与構造改革を行うこととしている。本県においても、国の給与構造改革との均衡を図り、より職務職責と勤務実績を反映し得る給与制度への転換を進めるため、人事院勧告の内容を参考としながら、本県の実情を考慮して給与構造改革に取り組む必要がある。



    給料表の見直し
    行政職給料表(1)については、人事院勧告の内容に準じて、給料表の水準を引き下げるとともに、級構成の再編及び職務の級の格付けについても適切に措置することが必要。
    教育職総括教諭表を除くその他の給手法については、各給料表の特殊性を踏まえつつ、国の俸給表及び行政職給料表(1)との均衡を基本に改定することが必要。
    (教育給料表については、「3教員の給与の見直し」を参照。)

    地域手当の新設
    地方自治法が改正された場合は、人事院勧告における地域手当創設の趣旨を踏まえ、現行の調整手当に替えて地域手当を導入することが必要。
    本県の実情(全県的な規模での人事異動、職員の通勤実態等)及び調整手当支給実態との連続性を考慮すると、一律に支給することが適当。
    支給割合については、職員の勤務実態も踏まえながら、公民較差の解消という視点から、適切な支給割合としていくことが必要。

    管理職手当の定額化(報告のみ)
    管理職の職務・職責を適切に反映できるよう、定率制から定額制に移行するための検討を進めることが必要。

    勤務成績に基づく昇給制度の導入
    ・昇給に勤務成績をきめ細かく反映させるため、給料表の号給を4分割するとともに、現在の普通昇給と特別昇給を統合し、勤務成績の評価に基づく昇給にすることが必要。
    昇給時期を年1回に統一することが必要。
    職務給の原則を徹底するため、いわゆる枠外昇給制度を廃止することが必要。
    勤務成績に基づく昇糸制度の導入に併せて、55歳昇給停止措置に替えて、55歳昇給抑制措置を導入することが必要。

    勤勉手当への実績反映の拡大(報告のみ)
    管理職以外の職員にも勤務成績に応じた成績率に基づき支給するなどの取組を拡大することが必要。

    実施時期等
    平成18年4月1日から実施すること。なお、民間企業における給与体系の見直し時の措置状況や人事院勧告の内容を考慮した所要の経過措置を講ずることが必要。

  3. 教員の給与の見直し
     学校や教員を取り巻く状況の変化に対応した教員の給与の見直しを行うため、次の措置をとる必要がある。

    総括教諭の級の創設
    ・新たに設置される職(総括教諭)については、職務・職責に応じた給与とするため、総括教諭表の2級と3級の間に新たな級(新2級)を創設することが必要。

    教員の給料表の統一
    高等学校等教育職給料表と中学校、小学校等教育職給料表については、@学校の種類による職務の困難性に差異がなく、給料表を分けておく必要性は認められないこと、A高等学校教員の給料水準を小・中学校の教員に比べて高く設定しておく合理的な理由も認められないこと、B今後、教育施策を進める上での人事管理上のメリットがあることから、両給料表を速やかに統一することが適当。

    見直し後の給料表
    給与構造改革に対応したモデノレ給料表(※)を参考に、行政職給料表(1)との均衡を基本に定める必要があり、その水準は、次の表を基準とすることが適当。
    (※)モデル給料表:各都道府県、指定都市及び特別区の人事委員会が組織する全国人事委員会連合会が作成した教員給与に関する参考モデル給料俵
    標準職務 給料表の水準
    1級 助教諭の職務等 旧教育職俸給表(二)相当モデル給料表の1級
    2級 教諭(総括教諭を除く。)の職務等 旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表の2級
    新2級 総括教諭の職務等 旧教育職俸給表(二)相当モデル給料表の2級
    3級 教頭の職務 旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表の3級
    4級 校長の職務 旧教有職俸給表(三)相当モデル給料表の4級
    (注)旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表は、本県の中学校、小学校等教育職給料表に相当。

    実施時期等
    平成18年4月1日から実施すること。教員の給与の見直しと併せて、給与構造改革も行われることから、特定の層に対し、著しい不利益変更とならないよう、所要の措置を講ずることが必要。

  4. 公民比較方法の課題(報告のみ)
     民間小規模企業の給与制度状況調査を実施した結果、現行のラスパイレス方式による比較を行うには調査効率や精度面からの制約があるが、調査手法や比較方法について引き続き検討することが必要。
     本委員会の調査結果に基づく判断とともに、人事院及び総務省における研究会の検討状況や他都道府県の動向も踏まえ、民間の組織形態の変化への対応や公民比較方法等の検討を引き続き進める。


    総括教諭の級の創設
    ・新たに設置される職(総括教諭)については、職務・職責に応じた給与とするため、総括教諭表の2級と3級の間に新たな級(新2級)を創設することが必要。

    教員の給料表の統一
    高等学校等教育職給料表と中学校、小学校等教育職給料表については、@学校の種類による職務の困難性に差異がなく、給料表を分けておく必要性は認められないこと、A高等学校教員の給料水準を小・中学校の教員に比べて高く設定しておく合理的な理由も認められないこと、B今後、教育施策を進める上での人事管理上のメリットがあることから、両給料表を速やかに統一することが適当。

    見直し後の給料表
    給与構造改革に対応したモデノレ給料表(※)を参考に、行政職給料表(1)との均衡を基本に定める必要があり、その水準は、次の表を基準とすることが適当。
    (※)モデル給料表:各都道府県、指定都市及び特別区の人事委員会が組織する全国人事委員会連合会が作成した教員給与に関する参考モデル給料俵
    標準職務 給料表の水準
    1級 助教諭の職務等 旧教育職俸給表(二)相当モデル給料表の1級
    2級 教諭(総括教諭を除く。)の職務等 旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表の2級
    新2級 総括教諭の職務等 旧教育職俸給表(二)相当モデル給料表の2級
    3級 教頭の職務 旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表の3級
    4級 校長の職務 旧教有職俸給表(三)相当モデル給料表の4級
    (注)旧教育職俸給表(三)相当モデル給料表は、本県の中学校、小学校等教育職給料表に相当。

    実施時期等
    平成18年4月1日から実施すること。教員の給与の見直しと併せて、給与構造改革も行われることから、特定の層に対し、著しい不利益変更とならないよう、所要の措置を講ずることが必要。
  5. 継続じた取組の要請(報告のみ)

    女性職員の多様な職域への配置・管理職登用推進
    女性職員の多様な職域への配置、管理職への積極的な登用をより一層推進することが必要。

    育児を行う職員の支援
    育児休業等の制度を利用しやすい環境づくりや、休暇制度の検討を含めた支援のための取組を推進していくことが必要。

    総実勤務時間の短縮
    時間外勤務の縮減と計画的な年次休暇の取得促進に努めることが肝要。

    健康管理対策(新規)
    健康管理対策の一層の推進と各種対策を有効活用できる体制の充実が重要。