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公正な教科書選定と採択を求める要請

 

2013年8月1日

神奈川県教育委員会
教育委員長  具志堅 幸司 様

神奈川県高等学校教職員組合
執行委員長  園部  守

公正な教科書選定と採択を求める要請

 神奈川県教育委員会におかれましては、日ごろより神奈川県の教育の充実と発展のためにご尽力されていることに敬意を表します。
 さて、すでに教育委員会事務局(以下、事務局)からの報告や報道などでご承知のことと存じますが、事務局は7月24日、実教出版の日本史教科書「高校日本史A」「高校日本史B」を選定した県立高等学校長に対して、「再考を依頼」しました。これは、7月23日に開催された教育委員会委員協議会において、教育委員から同教科書の採択について疑義が出されたことを受けて、事務局が不採択の可能性があると判断したことによるとのことです。
 各学校では、4月23日の教育委員会4月臨時会において決定された「平成26年度神奈川県立高等学校等使用教科用図書採択方針」に基づき、すべての教科用図書の検討を行い、教科書選定会議などにおいて、「使用希望教科書」を選定し、教育長に提出しています。各学校の「使用希望教科書」は、公正の確保が徹底されるなか、学校目標や教科目標などをふまえ、学校・生徒の実情に則した「最適」なものが選定されています。
 昨年までは、各学校での選定を尊重して教育委員会が教科書を採択していました。しかし今年は、各学校でのすべての選定作業が終了した7月22日の後に、事務局が「再考を依頼」しました。このことは、事務局自らが示した「教科書選定・採択手続きの流れ(平成26年度使用教科書)」を突然変更するもので、日々の教育活動に追われるなか、公正かつ慎重な選定を行ってきた学校長をはじめとする教職員のこれまでの労力と責任、専門性を否定することにつながります。そして、教科書の内容ではなく、外部団体からの圧力や事務局による学校長への「『再考』の『依頼』」が持つ意味などを背景に、各学校では「再考」が行われ、「公正」とは言い切れない教科書選定が行われています。日々の教育に直接責任を持つ現場教職員は、理不尽さを感じ、苦悩しています。
 事務局の7月24日以降の対応は、4月23日の教育委員会4月臨時会において決定された「平成26年度神奈川県立高等学校等使用教科用図書採択方針」の「1 各高等学校等の学校目標及び各教科の指導目標に基づいて教科用図書の調査研究を十分に行い、学校及び生徒の実情を考慮して…」「2 文部科学省が作成する高等学校用教科書目録(平成26年度使用)のうちから…」「3 …公正の確保に留意する」にも抵触するものです。
 私たち神奈川県高等学校教職員組合は、各学校での公正な教科書選定が保障されることを求めます。
 教育委員会におかれましては、その見識を持って、次のことをふまえた公正かつ慎重な教科書の採択が行われますことを要請します。

  1. 2014年度使用教科書の採択にあたっては、4月23日の教育委員会4月臨時会において決定された「平成26年度神奈川県立高等学校等使用教科用図書採択方針」に基づくこと。
  2. 「平成26年度神奈川県立高等学校等使用教科用図書採択方針」に基づいて、各学校が公正に選定し、7月10日までに教育長に提出したすべての「使用希望教科書」を採択の対象とすること。