本文へジャンプ

ホーム > 神奈川の教育情報 > ニュース > 県立中高一貫校 再来年から開校

県立中高一貫校 再来年から開校

神奈川新聞2007年12月03日

小5家庭も熱視線
県教委主催説明会に6000人

二00九年四月に平塚市と相模原市に開校する二校の県立中等教育学校(中高一貫教育校)に対する保護者の関心が高まっている。今秋開かれた両校の説明会の参加者は延べで六千人を超える盛況ぶり。入学対象となるのは現在の小学五年生だが、会場にはわが子の将来を見据える四年生の保護者の姿も目立った。(鈴木秀隆)

 県内の公立学校では初の中高一貫教育校となるのは大原高校(平塚市大原)と相模大野高校(相模原市相模大野)。県教育委員会が主催した今秋の説明会は十月十四日から十一月二十一日まで県内二十九会場で開かれ、今回初めて、検査(試験)の出題例が各会場で資料として配られた。
 十月二十七日、大原高校の体育館で開かれた説明会。台風接近の影響で土砂降りの荒天にもかかわらず、午前中だけで保護者ら約五百人が詰めかけた。
 「六年間、受験がなく一貫して教育を受けることができるのが魅力」
 小五の長女がいる茅ケ崎市内の母親(37)は今年七月に平塚市内で開かれた説明会にも参加しているが、今回は「出題例が知りたかった」と足を運んだ。
 小五の長男がクラブチームでサッカーをしているという茅ケ崎市内の父親(42)は子どもが運動を続ける上でも高校受験のない一貫校に魅力を感じており、「私学に比べて金銭的な負担が少ないのも有り難い」と説明に聞き入っていた。
 小五の長女を連れた平塚市内の母親(44)も、「高校受験のために何かを中断することなく、人間形成に力を注いだり、じっくり勉強できる点が理想的」と参加。ただ、初めて見た出題例には「びっくりした。大人でも難しい内容。私立を受けさせるつもりはなかったが、私立受験対策の方が準備しやすいかもしれない」と戸惑いも。小学四年生の二男のために夫婦で訪れた厚木市内の父親(45)は「適性検査の出題はかなり難しいと思う」と話した。
 会場からは、他都県の中高一貫校を例に、志願倍率の見通しや、私立受験との併願を念頭に検査日程などを尋ねる質問が相次いだ。日程や検査の詳細は来夏に発表される募集要項で明らかにされる。
 今後の説明会は、相模大野高校では十二月二十二、二十三の両日に開催。大原高校は来年六月十四日に平塚市中央公民館で予定している。


個性伸ばす教育狙い 適性検査などで選考
 県教委によると、県立初の中高一貫教育校は、6年間の一貫した教育課程や学習環境で、多彩で豊かな教育内容の展開を通じて、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的に新設される。幅広い年齢層の生徒が6年間一緒に学校生活を送る中で、豊かな人間性や社会性をはぐくむことができるとしている。
 定員は1学年男女各80人(4学級)。選考方法は、▽社会で必要とされる幅広い教養を育成していく上での基礎的な力を測る「適性検査」▽よりよい人間関係を築くための基礎的な力と自己表現するための基礎的な力を測る「グループ活動」▽一貫校で学ぼうとする意欲や目的意識を見る「作文」▽今後の学習につながる基礎的学習の状況を見る「調査書」一の4点で総合的に選考(配分は適性検査6割、グループ活動2割、作文1割、調査書1割)し、入学書を決める。