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県教委の活性化事業 部活ライフ後押し

神奈川新聞2008年03月31日

生徒に活気、やる気−表彰制度や指導者派遣−

 県教育委員会が、県立高校の部活動を活性化させようと取り組む「かながわ部活ドリームプラン21」。参加促進や競技レベルの向上を目指し、二〇〇七年度からスタートした。入部率が上昇した学校などを表彰したり、専門的な知識を持った外部指導者を派遣したり…。さまざまな手法を駆使し、生徒が部活動に参加したくなる環境づくりを進める。その効果や、いかに−。学校現場を取材した。                   (田口要)

 県教委は同プランの中で、教育長表彰「かながわ部活ドリーム大賞」を新設した。戦績の良い学校だけでなく、入部率がアップした学校や陰で支えるマネジャー、部活動に協力的な保護者なども表彰し、「みんなで部活動を盛り上げよう」という試みだ。
 秦野南が丘高校は〇七年度、入部率が向上した学校を表彰する「チャレンジ賞」の一校に選ばれた。運動部の入部率は前年度に比べて9%上昇した。同校が実践したのが“PR作戦”。昼休みの校内放送で、各部が自分たちの部の魅力をアピール。手作りで部活動を紹介するチラシも作製し、階段の踊り場に張り出した。
 この効果が顕著に表れたのが小人数の運動部。例年二、三人だった卓球部には七人が入部。女子は団体戦への出場も可能になった。「部員がたくさんいると、やりがいがある」と荻野可菜部長(17)。同校も「部活動がより活発になり“学校が活気づいた。賞も励みになる」と喜ぶ。
 県教委は生徒に部活動への参加を促す一方、指導者対策にも取り組む。顧問教員をサポートするため、専門的な知識を持った外部指導者約千五百人を派遣した。
 「次にけりやすい場所にトラップしろ!」。横浜桜陽高校のグラウンドに、小泉親種さん(60)の声が響く。高校時代はサッカー部に所属し、関東大会で優勝した経験を持つ小泉さん。週二回、コーチ役として同校サッカー部に派遣されている。同部の顧問はサッカーが専門ではなかったため、部長がこれまで練習メニューを考え、試合でも戦術や交代選手などを決定してきた。佐藤裕太郎部長(17)は「練習はマンネリ化するし、歴代の部長は試合どころではなかったようだ」と振り返る。
 小泉さんは的確に練習メニューを指示。派遣日以外の日のメニューを考えるだけでなく、試合にも駆け付ける。佐藤部長は「客観的に見て怒ってくれる人がいるとやる気が出る。今はサッカーが楽しい」と笑った。
 〇七年度の県立高校の運動部の入部率は43・3%で、同事業ではこれを一〇年度に50%に引き上げ、運動部の全国大会出場率を33%に高めることを目標に掲げる。文化部の入部率は21・6%で、目標は25%に置いている。県教委保健体育課は「部活動を活性化させるとともに、部活動を通じた人づくりを推進していきたい」と話している。