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保健室登校が倍増

神奈川新聞2008年07月27日

公立高校生1000人当たり2.8人

 学校に来ても教室に行かずに保健室で過ごす「保健室登校」を続ける公立高校の生徒の割合は、二〇〇六年度で千人当たり二・八人となり、五年間で二倍に増えたことが、日本学校保健会による保健室の利用実態調査で明らかになった。
 公立小中学校でも保健室登校の割合が増加。友人関係の悩みなどを抱えているケースが多く、文部科学省は「急病やけがの対応だけでなく、子どもの心の健康も支えるという点で保健室の役割はますます重要になっている」と指摘、養護教員の複数配置など保健室の態勢充実を求めているが、財政上の理由などで整備が一進まない現実もある。
 調査は文科省の委託で約五年ことに実施。今回は○六年十月、公立の小中高校計約千百校を対象に利用実態を調べた。
 調査結果によると、〇一年度に高校で保健室登校していた生徒は千人当たり一・四人だったのに対し、〇六年度二・八人。中学校も五・六人から六・六人、小学校も一・二人から二・〇人へとそれぞれ増加していた。
 学年別で見ると、小中高校を通じて男女とも中三が最も多く、千人当たりの割合は男子が四・六人、女子が一二・九人。次いで男女共通して中二、中一の順となっており、中学校での対応が大きな課題になっている実態があらためて浮き彫りになった。
 性別で割合を比較すると、小一で男子が女子を上回った以外は、小二から高三までいずれの学年も女子の方が男子の二−三倍だった。
 「保健室登校の子どもがいる」と回答した学校は、小学校は〇一年度から10.1ポイント上昇し44.5%と半数近くに達した。逆に中学校は10.7ポイント減って61.0%、高校はほぼ横ばいの50.6%で、低学年化の側面もうかがえた。