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小中高の教科書 ページ倍増提言

神奈川新聞2008年12月19日

教育再生懇が2次報告

 政府の教育再生懇談会(座長・安西祐一郎慶応義塾長)は十八日午前、「教科書の充実を求める第二次報告」を麻生太郎首相に提出した。「ゆとり教育」から転換した新学習指導要領を踏まえ、小中学校と高校で使う教科書のぺ−ジ倍増を柱に、自習を促進するよう求めているのが特徴だ。
 首相は「自然資源に恵まれない日本にとって人材が一番の資源だ。少子化の時代にあっても質の高い、信頼できる教育が大変重要だ」と述べ、報告を施策に反映させていく考えを強調した。
 報告は国語、理科、英語の各教科で「教科書ぺ−ジ数の倍増を目指す」とした上で@算数や数学では練習問題A国語では文豪の名文B英語では新聞記事や演説−をそれぞれ増やすよう要請。授業を受けなくても、教科書を使って一人で勉強が進められる内容にすることを提言している。
 高校生の教科書については、大学レベルの「発展学習」や中学校の復習内容を詳しく記述できるよう分量の上限を撤廃するとした。保護者や教員には「教科書に書かれていること必ずしも全部を教える必要ない」と意識改革を提言。実生活で知識がどのように役立つかなど児童、生徒が関心を持ちやすい記述に努めるべきだとの意見も盛り込んだ。 情操教育や道徳心育成に向けた題材の充実を明記。教科書の創意工夫が評価されるように、検定の審査基準見直しなども挙げている。


携帯持ち込み禁止
 政府の教育再生懇談会は十八日、子どもの携帯電話利用に関する素案をまとめた。小中学生は「必要がない限り携帯電話を持つことがないよう保護者、学校が協力する」と、学校への持ち込みの原則禁止を打ち出し、やむを得ず持たせる場合も通話機能しかない機種に限定するよう促している。
 素案は「携帯電話の問題は家庭、学校、地域の教育力が問われている」と指摘。国に対し、三年後に施策全体の検証を行い、法整備も含めた必要な措置を講じるよう要請した。
 再生懇談会の作業グループが素案を取りまとめた。保護者が子どもに携帯電話を持たせるかどうかの判断は「携帯電話の利便性や有害性を認識した上で、年齢や発達段階に応じて主体的に決める」と明記。その上で、教育委員会や学校には持ち込み禁止など、学校での携帯電話の取り扱い方針を明確化するよう求めた。
 インターネット機能付きの携帯電話では、子どもが有害サイトに接続するのを防ぐフィルタリングサービスの積極的利用を提案。一方で、通話相手先限定の機種や緊急連絡用の携帯メールを備えた携帯電話の所持は、安全確保の「有効な対応の一つ」と認めている。