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学校裏サイト 実態把握へ連携

神奈川新聞2010年02月18日

県教委と文教大
発見ノウハウ探る

 県教育委員会は2010年度から、いじめの温床とも指摘されるインターネット上の悪質な「学校非公式サイト」(学校裏サイト)の実態調査に乗り出す。文教大学(茅ケ崎市)と連携・協働し、県内の小中高50校を対象校として2年間調査。大学側と学校裏サイトを見つけ出すノウハウなどを築き、県内の学校現場で広く活用していくという。(下屋鋪聡)


2年間、50校対象に
 県の「大学発・政策提案制度」で同大情報学部の研究グループから提案を受け、事業化された。東京都教育委員会では専門業者に委託、裏サイトを監視しているが、県教委によると、大学と連携しての事業は全国的にも珍しいという。1年目となる10年度は、当初予算案に96万円を充てた。
 対象校となる公立の小学校10校、中学と高校各20校は、県教委が選ぶ。個人情報の取り扱いの協定を結んだ上で、同大学の学生らが実際に対象校で教師らから聞き取り調査を行い、情報収集する。それらを基に裏サイトを捜し出すという仕組みだ。
 例えば、研究グループがニックネームや、はやっている言葉遣いといった学校それぞれの「隠語」を使って検索。他人を傷つける書き込みを発見して削除したり、裏サイトを見つけ出す方法や情報などをまとめ、対象校以外にも提供したりする。
 県教委によると、県内の公立小中高、特別支援学校を対象に行われた08年度の調査結果では、「パソコンや携帯電話等を使ったいじめ」は295件。前年度より81件減ったが、県教委の担当課は「あくまでも認知された件数」とし、表面化していないものも多いと推測する。
 裏サイトの大半が携帯電話の掲示板などとみられ、パソコンからは簡単にアクセスできないものが多く、学校単独では発見が難しかったという。県教委では「学校非公式サイトの検索に関する知識や技能を学校間で共有することにもつなげていきたい」としている。

◆学校非公式サイト(学校裏サイト)
児童生徒が交流などを目的にしてインターネット上に開設した学校の公式サイトではない掲示板。学校の話題だけでなく、時に他人への中傷や個人情報などが書き込まれ、社会問題化している。パソコンからアクセスできないものや、仲間内だけで通じる隠語を使っているケースも多く、確認は困難とされている。