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安心子ども基金

神奈川新聞2010年12月09日


半年で未支給550人
県や市川崎の所轄施設など条件確認手間取る

 児童養護施設や里親家庭にも、子ども手当相当分の国の「安心子ども基金」が支給されることになったが、子ども手当支給開始の6月から遅れること約半年、県と川崎市が所管する施設などのほか、横浜市の約半数でも、いまだに入金されていないことが分かった。対象の子ども約800人のうち未支給は550人前後に上る。年度内に使い切れない基金は返金しなければならず、使用期限はあと4ヵ月弱と迫っている。(柏木智帆)

 施設や里親家庭にいる子どものうち、保護者がいなかったり、ネグレクト(育児放棄)などで市町村から保護者へ手当が支給されていない場合は、本年度の手当分(中学卒業まで1人月1万3千円)を安心子ども基金から施設などに支給する。2011年度以降は新たな仕組みをつくって対応するとしている。
 国から都道府県に交付して基金が創設されるため、支給時期は自治体によってまちまち。神奈川県の場合、基金創設は政令市と横須賀市以外の市町村は県が所管。すでに施設などにいる子どもについては、10月上旬を申請期限としていた。
 期限までの申請分については、相模原、横須賀の両市では11月下旬までに該当児童分の基金が入金された。だが、県と川崎市のほか、横浜市の半数ほどでは、まだ振り込まれていない。
 遅れている原因として、県と川崎市は「子ども手当が保護者に支給されている場合は基金の対象とならないため、申請した児童の保護者が子ども手当を受給していないかどうかの確認が必要。転居を繰り返している保護者の所在を追うことで確認作業に手間取った」。県は13日、川崎市は中旬ごろに入金。横浜市では年内に随時の入金を予定しているという。
 しかし、厚生労働省によると、基金は10年度の事業のため、貯金は認められていないほか、年度内に使い切れない場合は返納しなければならず、施設の困惑が広がっている。

○児童福祉施設や里親家庭の子どもの数○
子ども手当相当分の支給対象となる児童福祉施設(児童養護施設、.乳児院など)は県内に計70施設あり、約3千人が入所する。また県内で里親制度に登録する夫婦は約400組で、里子約250人が暮らしている。