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教室に行こう(239) ジャズの魅力に迫る

神奈川新聞2020年03月24日

名曲のアドリブに挑む
県立座間高校

 「おぉ!」と歓声が上がる。
 数年前に発売された1枚リードの楽器に生徒が初めて触れた瞬間だ。指揮がリコーダーと同じでトリクミすい上、歌口がサックスやクラリネットと同じため、音色を自分で作れることもこの楽器の魅力の一つだ。
 この特徴を生かし、ジャズの魅力を味わうべく、生徒たちは、とある名曲のアドリブに挑んだ。
 授業は、5人前後のグループで@皆でテーマを演奏A各自がアドリブB皆でテーマに戻って終わる、というジャズのセッションを模した形で進んでいく。
 範奏を聴くタイミングにも仕掛けがある。演奏者の立場で音楽を捉えるため、ある程度自分なりに演奏してみたところで、初めて原曲を聴く時間を設定した。
 音楽がかかると、生徒たちの表情は真剣そのもの。範奏のアドリブからアイデアを取り込もうと7分もの間、必死にフレーズを聴き取り、メモをとる姿が見られた。
 いつしか生徒たちは「そのジャズっぽい音、何の音?」「好きな曲のリズムを使うとやりやすいよ」といった対話を繰り返し、試行錯誤を重ねながら、自身で考えたアドリブを演奏するようになっていた。
 最後の発表の場面では、指が良く回り細やかなフレーズを吹く生徒、好きな音を長めに伸ばしてベンドする生徒、体を使って勢いを出す生徒など、自分の持ち味を最大限に生かしたアドリブが花咲いた。
 ワークシートのまとめには、「楽譜通り演奏することしか知らなかったので、新たな音楽の楽しさや可能性を知った」「アドリブには正解がない。自分は自分でいい」など、音楽を通して味わった体験が、生徒一人一人に感動を残した。
 
※神奈川県教育委員会では、他にも各校の取り組みを「元気な学校づくり通信『はにい』で紹介。http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f420082/