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細部の所作に磨き 総文祭向け稽古に熱

神奈川新聞2021年07月21日

厚木東高校 人形浄瑠璃部

 厚木市王子1丁目の県立厚木東高校人形浄瑠璃部が2年ぶりの出場となる全国高等学校総合文化祭(総文祭)に向けた稽古に励んでいる。部員6人の小所帯だが、人形の動きなど細部の所作に磨きをかけ、表現力向上に余念がない。(石本健二) 

 総文祭は31日〜8月6日の日程で和歌山県で開催される。同部は昨年12月の神奈川県総文祭を勝ち抜き、8月4日の郷土芸能部門に出場する。
 演目は「生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)」。何度も引き裂かれ、再会しても互いに名乗れずにすれ違う男女の悲哀を描く。主役の女性「朝顔」は3人で一つの人形を操る「三人遣い」で挑む。頭と右手を操る「主遣い(おもづかい)」は部長で3年生の水本拓翔さん(17)が担当。左手は3年生の山田美喜さん(17)、足は2年生の井上萌花さん(17)が操る。
 3人の呼吸をぴたりと合わせないといい演技はできない。同部の卒業生でアマチュア人形浄瑠璃劇団「あつぎひがし座」の林田洋子代表(65)の始動の下、稽古を重ねる。
 「もっと感情を込めて」「石を拾う動作はもう少し優しく」―。林田さんから細かな指示が飛ぶ。林田さんは「全国大会で披露する上で、細部の動作レベルを上げていくことが大切」と力を込める。
 水本部長は「3人の呼吸が合って人形をうまく動かせたときに達成感がある」と、厳しい稽古の中で手応えを語る。山田さんも「練習熱心で、安心して付いていくことができる」と信頼を寄せる水本部長を中心に高みを目指す。
 人形を操るだけでなく、口上や小道具の扱いなど総合力が問われる全国の舞台。水本部長は「部員全員で楽しく演じたい」と意気込みを示した。