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通信制希望 最多2457人

神奈川新聞2021年12月28日

県教委調査 高校進学、過去10年で
オンライン普及、多様な学びも

 来春卒業予定の公立中学校の生徒を対象にした進路希望調査で、通信制高校への進学希望者は2457人(3.7%)となり、過去10年で最も多くなったことが分かった。多様なニーズに応える学びを提供していることや、新型コロナウイルスの影響によるオンライン学習の普及などが背景にあるとみられる。(川口 肇)

 調査は県教育委員会が10月、県内の公立中学校407校(分校3校含む)と義務教育学校後期課程3校を来春卒業予定の6万7081人を対象に実施した。
 調査によると、高校等の進学希望者は6万4898人(96.7%)で前年度比0.1ポイント増。このうち、全日制進学希望者は6万424人(90.1%)で同0.7ポイント減、定時制は771人(1.1%)で前年度比増減なし、通信制は2457人(3.7%)で同0.9ポイント増、特別支援学校高等部や高等専門学校等への進学希望者は1246人(1.9%)で同0.1ポイント増だった。進路希望未決定者は1698人(2.5%)いた。
 通信制の希望者数2457人は2012年度以降で最多となった。このうち、3都道府県以上にまたがって生徒を受け入れる「広域通信制高校」などへの希望者が1518人を占めた。
 県教委や県私学振興課によると、通信制を第1希望で選択する生徒は近年、増加傾向にある。オンラインを活用した遠隔授業などで自分のペースに合わせて学べることから、不登校、病気といった困難を抱える生徒や、スポーツに打ち込みたい生徒などの進学先として浸透してきているという。私学振興課の担当者は「新型コロナの影響で、オンライン学習への抵抗感が薄れたことも希望者増の要因の一つかもしれない」と話す。 
 県内の通信制高校は今年4月時点で県立2校と県が認可した私立3校のほか、県外に本校舎を置く広域通信制高校のサテライト施設がある。
 調査結果は21日にあった県教委定例会で報告された。希望調査のため、実際の志願状況とは異なることがある。