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高校神奈川 No.543

2007年07月10日

日教組、緊急集会を数回にわたって開催

 07年3月10日第4期中央教育審議会は「教育基本法の改正を受けて緊急に必要とされる教育制度の改正について(答申)」とその概要を発表しました。それをうけて政府は、27日に教員免許法「改正案」を29日に学校教育法と地教行法の「改正案」を閣議決定し、30日に国会上程しました。
 これに対し日教組は、この教育関連三法案の国会上程に対し書記長談話を発表しました。談話の中で「改正案」の内容は、「教育委員会や学校現場、子どもへの管理・権限の強化など、学校現場に管理・評価、選別・排除を持ち込むものであり、主体的な活動が阻害される懸念は拭えない。また、地方に対する国の関与を強め、教育の地方分権を後退させることにつながる。」としています。
 政府・与党は衆議院で50時間を越える審議が行われたということを理由に、教育再任特別要員会での採決を行い、5月18日衆議院本会議において教育関連三法案を可決しました。日教組は、衆誰院特別委員会での採決に対し、書記長談話を発表しました。
 参議院では5月22日より文教科学委員会で審議が行われました。免許更新制を導入する教員免許法の「改正案」については、野党議員にかぎらず、与党議口からも「なぜ更新制導入なのか」など疑問の声や「慎重にすべきだ」との声があがっていました。5月31日の参考人質疑では、与党推騰の参考人も含め3法案や教育行政に対し批判や苦言を呈しています。6月11日には地方公聴会、15日には中央公聴会か開催されました。19日文教科学委員会で強行採決がおこなわれ、20日の参議院本会議で可決成立しました。
 日教組は、この間、教育関連三法緊急集会を4度にわたって開催(4・26、5・9、6・H14、6・19)し、情勢確認やとりくみの意思統一を行うとともに、議員要請行動にとりくんできました。また、6月5日には「教育関連三法案」阻止!中央集会を開催しました。
 神高教は、日教組とともに、県内でのビラ配り行動、国会前座り込み、中央集会など、神高教独自行動も含めて、上記の行動にとりくみました。
 神高教のとりくみについては、現時点で以下のように総括しています。

  1. 中央段階では日教組に結集しとりくみをすすめた。また、日教組東京4単組などとともにとりくんだ。
  2. FAX情報(通算12号)を送付し、本部・分会ともに情報を共有したとりくみができた。
  3. 与党の圧倒的優勢の中ではあるものの、国会での教育関連三法成立を阻止し得なかったことは、政治的影響力の強化など今後のとりくみに課題を残している。

(執行委員 佐々木 克己)



参議院文教科学委員会における
「教育関連三法案」の強行採決に対する抗議声明

 本日、政府・与党は、参議院文教科学委員会において「教育関連三法案」を強行採決した。
 委員会の審議終了後、民主的な手続きをふまず、突如採決に及んだことは、国会運営および国会審議を無視した、民主主義国家として恥ずべき暴挙と言わざるを得ない。
 学校現場に直結する重要な法律を、昨年12月の教育基本法改悪と同様、十分な審議を尽くさず、審議を求める声を一方的に無視し、与党が数の力で強行採決したことに断固抗議する。
 「教育関連三法案」は、審議期間がわずか1ヶ月足らずという常軌を逸した中教審答申をもとに法案化された。国会審議においても、衆議院では、特別委員会を設置して審議を急ぎ、参議院の文教科学委員会では会期日程をにらみ、かけこみで採決にふみこんだ。こうした「改正ありき」で審議をすすめ、教育を政争の具とすることは、断じてあってはならない。
 法案の内容は、「学校教育法」における規範意識・公共の精神や国を愛する態度など画一的な「公」の考えを押しつける「義務教育の目標」規定、「教員免許法」における教職員の資質向上につながらない教員免許更新制の導入、「地方教育行政法」における国の権限・管理強化につながる「是正要求・指示」など、教育現場の実態を全くふまえず、地方分権にも逆行するものである。
 未来を担う子どもたちや教職員に直接関わる法案審議であるのに、教育現場にどのような変化をもたらし、何の目的でそれを推進するのか、具体的な提示があったとは言えない。教育制度や教育課題の検証もなされないまま、新たな法律で対応するのは無用な不安や混乱を生じさせるだけで、何の解決にもならない。国際的な動向である子どもの権利条約にも反している。
 いま、学校が求めているのは、子どもと直接かかわるための教育条件整備である。そのことが教育関係者、教育研究者等の参考人や公述人等からも、強く求められた。こうした審議をふまえれば、当然「教育関連三法案」は、審議未了・廃案とすべきである。
 わたしたちは、「教育関連三法案」の強行採決に断固抗議するとともに、参議院本会議で可決・成立させるという暴挙を避け、直ちに審議をやり直すよう強く求める。2

2007年6月19日 日本教職員組合


教育関連:法案阻止にむけた神局教のとりくみ

  • 教育三法案学習会
  • 教育関連三法案反対の職場決議(内閣総理大臣、文部科学大臣)
  • 教育関連三法案反対の要請行動(衆議院特別委員会 委員へ)
  • 4.26教育関連三法緊急集会
  • 5.9教育関連三法緊急集会
  • 教員免許更新制反対の「チラシ配布行動」
  • 5.17教育関連三法 緊急院内集会
  • 全組合員によるはがき要請行動(地元選出参議院議員)
  • 6.5教育関連三法阻止!中央集会
  • 教育三法改悪法案を廃案に!6・8緊急院内集会
  • 分会としての激励・要請はがき行動激励(地元選出参議院議員)
  • 6.12教育関連三法案改悪阻止 国会前集会(日教組東京4単組)
  • 6.14教育関連三法案緊急集会
  • 6.14国会前座り込み行動
  • 6.18教育関連三法案 改悪阻止 国会前集会
  • 6.19教育関連三法案 院内集会
  • 6.19教育関連三法案改悪阻止 国会前集会(日教組東京4単組)
  • 教育三法案の強行採決に対する抗議打電行動

更新講習についての国会答弁より

  • 更新講習の内容は?
     更新講習の内容は、中教審の答申の中では第一に使命感や責任感、教育的愛情等に関する事項、第二に社会性や対人関係能力に関する事項、第三に幼児児童生徒理解や学級経営等に関する事項、第四に教科、保育内容等に関する事項、を含めることが適当とされていますが、今回の法律では、免許更新講習の内容等について省令で定めることになっています。
     更新講習はその時々で教員に必要とされる共通の最新の知識、技能を刷新するということを目的として実施をするものです。したがって、例えば情熱の問題、対人関係の問題、教科指導の問題、あるいは学級経営の問題、こういった教員として共通に求められる内容が中心となります。
  • 更新講習の修了認定は?
     更新講習をした場合に、国の基準に従って開設者(主に大学等が中心)が筆記試験あるいは実技試験等を行い更新講習の修了の認定を行うことになります。
  • すでに免許状取得後10年以上経過している現職教員の受講時期は?
     免許状を授与されてから十年以上経過している現職教員の最初の免許更新講習時期は、現職教員の生年月日に応じて文部科学省令で定めることになっています。

神本参議院議員に聞く
国会情勢報告
あらためて「教え子」を戦場に送るな!


竹田
 神本さんは神奈川には縁があるんですって

神本
 ええ、小学校の教員になって初めての3年間は横浜の鶴見の下野谷小学校に勤務しました

竹田
ご出身は福岡ですよね

神本
 ええ、その後福岡に戻って21年間教員生活を送りましたが、教員生活のスタートを横浜で切らしてもらったことは私にとって幸せなことだったと思っています。

竹田
 6年前の参議院謹員選挙で当選されてちょうど1期目が終わるわけですが、教育基本法の改悪や教育関連3法案など戦後教育を否定する動きが強まっていますね

神本
 教育基本法の改悪については、日教組とともにとにかく『教育基本法をかえる必要はない。生かすことが必要だ』という立場で、国会でも民主党内でも主張し、日政連(日教組出身議員団:編集部注)は団結してたたかってきました。結果は残念ながら与党の多数の横暴を許すかたちとなりました。本当に悔しい思いですが、日教組をはじめ多くのみなさんの運動の盛り上がりを憲法理念にそった教育の実現や憲法改悪を阻止する様々な運動に結びつけていければ、と考えています。

竹田
 民主党も『日木国教育基本法案』なるものを提出しましたか。うちの組合員の中ではあれはすこぶる評判が悪かったですね

神本
 民主党は幅広い政党ですから別の考えをもっている人もいます。政府案を阻止するためには対案で党内をまとめて、かつ国会での慎重審議を求める、という戦術を民主党としては採らざるを得なかったわけです。

竹田
 参議院の特別委員会の審議の中で例のクウンミーティングやらせ問題に関連して『教育を金で買うつもりですか?』と迫って、安倍首相を激怒させましたね

神本
 きっと、事例を指摘されて安倍さんは怒ったのだと思います。とにかく今の自公政権はひどすぎますね。国会密議がまさに空洞化されつつあります。きちんと政策論争をやろうとしても、とにかく『野党には言いたいことは言わせるけれど時間が来たら強行採決』これでは「民主主義もなにもありません。多数決とともに少数意見の尊重が民主主義の基本です。ましてや郵政民営化を争点に行われた総選挙の結果で『教育基本法』も『憲法改正手続法』もなにもかも国民に支持されている、という論法は国民軽視以外のなにものでもありませんね。激怒したいのはこちらの方です。

竹田
 教育関連3法案の国会審議では、神本さんはたしか参議院の本会議で代表質問されましたよね

神本
 教育改革を主張するならまず教育予算の増額、そして教員定数の改善が必要。これまでの教育行政が何をなし、何をしてこなかったのか、というきちんとした検証なしに改革を論じるのは、教育そのものを土台から崩壊させる危険性がある、と訴えました。

竹田
 官邸主導とはいうものの、それが単なる教育放談と思いつきの改革に終始しているということですよね

神本
 本当に国民の立場に立って教育改革をやろうとするなら、現場で苦闘している教職員や、子ども、保護者の意見をまず聞くべきですよね。そういったことを一切しないまま、参議院選書に向けた実績づくりという政治的な意図だけを優先させて、強引に法案を成立させる、という安倍政権には教育を語る資格はないということが、教育基本法、教育3法の審議を通じて明らかになったと思います。

竹田
 安倍首相と自民党は『今回の参議院選挙で日教組と自治労をたたきつぶす』といっています

神本
 公務員批判や教職員批判を強めることで、参議院議員選挙にむけて支持率を高めたい、というねらいもあると思いますが、安倍首相の『戦後レジュームからの脱却』に対する最大の抵抗勢力が日教組と自治労、ということなのでしょう。

竹田
 『国民投票』が成立したことで、憲法改悪が具体的な政治課題となった訳ですが、自民党は今回の参議院選挙に『3年後の憲法改正案発議』を公約にしていますね。

神本
 これは大変なことで、この選挙にむけた国民期待や関心とは別に、万一与党が過半数を占めれば、安倍政権は間違いなく憲法改正は国民に支持されたとして、一瀉千里に憲法改正に向かうでしょう。同時に3年後に憲法改正案を発議できる状況、発議したら国民の過半数の賛成が得られる状況づくりがすすめられるということです。

竹田
 3年間で反対する勢力を搬底的につぶす、ということですね。

神本
 ええ。今国会で特に『多数の横暴』をまかり通した安倍首相は、これからも有無を言わさず、この手法を通すでしょう。かれには民主主義とか人権の尊重などという言葉こそ戦後レジュームそのものなのですから

竹田
 この間、参議院議員として全国の教育現場に入ってみて、どんなことを思じますか

神本
 一番感じるのは、教職員がきわめて忙しいということですね。確かに時代の変化の中で保護者も地域もかわり、学校もかわらなければならないことは当然だと思います。しかし、やはり教職員の一番の仕事は授業や子どもとのふれあいなのに、その他の仕事が忙しくて、子どもたちと十分にふれあえない、というのは本末転倒です。教職員定数の抜本的な改善や、学校現場を無視した国の政策をやめさせる必要を強く感じますね。それとその忙しい中で、本当に献身的に頑張っている仲間がたくさんいることですね。励まされる思いとともに、こうした仲間が自分の家族や生活を犠牲にしないで生き甲斐をもって教育にたずさわれるような仕組みづくりが私の使命だと思いますね。

竹田
 日教組は今回の参議院避挙の比例代表に引き続き神本さんを組織内候補として推理しました。

神本
 安倍政権に対するこの間の貸しはきっちり返してもらう、つもりでたたかう決意です。

竹田
 参議院選挙の比例代表という仕組みでは、政党名か個人名での投票となりますね

神本
 ええ。それだけに日教組の組織力。それも各県ごとの力が白日の下に晒されてしまう訳で屯、責任重大です。

竹田
 単に当選できればいい、ということですね。

神本
 自民党が日教組をつぶす、と公言している訳ですから、絶対に負けるわけにはいかない、と考えています。

竹田
 そうですね。

神本
 実は4月に亡くなった母も戦前にかけて小学校の教師をやっていました。私が教員になって平和教育や人権教育にのめり込んでいった頃に、母に「なんであなたは教え子を戦場に送ったの』と詰問したことがありました。そのとき母は悲しい目をしながら何も応えてくれませんでした。今期あの葬儀で母の古い友人が弔辞で、母の詠んだ『海ゆかば子等と歌いぬ教師われ、夫(つま)は揚子江の警備ありて』という歌を披露されていたのを聞いて、母の教師としての忸怩たる思いに触れてあらためて『教え子を戦場に送るな』という日教組のスローガンをもう一度かみしめました。全国の教職員の思いこの不滅のスローガンを何としても実現するため、国会内でも民主党の中でも全力をあげたいと思います。

竹田
ありがとうございました。