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高校神奈川 No.595

2011年09月14日

平塚中等で「育鵬社」歴史教科書を採択
「教育の政治的中立」を脅かす暴挙−分会・本部は抗議文を手交

 8月2日に行われた県教育委員会で、来年度からの相模原・平塚の中等教育学校(前期課程)で使用される教科書が採択されました。両校の使用希望が「尊重」された結果となりましたが、平塚中等では、歴史教科書選定にあたり、当該教科の意向が校長により覆されています。
 神高教は同日、大原・平塚中等分会とともに、望月正大校長に厳重な抗議を申し入れ、県に対する答申のやり直しを求めました。

 今年度の中学校社会科教科書の採択において、「新しい歴史教科書をつくる会」系の教科書(育鵬社と自由社に分裂)は全国各地で大幅にシェアを拡大しています。神奈川県では、横浜市・藤沢市が歴史・公民とも育鵬社を採択しました。横浜市は今回から全市を一採択区化しており、約8万人の中学生が、きわめて一面的・誘導的な記述の教科書で学ぶことになります。
 横浜市・藤沢市は一部教育委員が、教科書審議会などの答申を無視し、自らの政治的意向による「多数決」で強引に採択した結果です。一方、県立中等教育学校では、学校単位の選定が可能です。望月校長の決定は、「先生がよいと思う教科書が選ばれなければいけない」(8月2日、平出委員長の発言)といった県教育委員の良識にも反する深刻な行為といえます。
 神高教は今後、教科書選定における校内論議の十分な保証を県教委に求めるとともに、教育の場に「政治」の持ち込みを許さないとりくみをすすめます。


横浜市の教科書はこうして採択された

傍聴報告

横浜市の教科書採択は8月4日の市教育委員会で行われました。当日の教育委員会は10時開始予定でしたが、9時から傍聴受付が始まりました。8時過ぎには傍聴希望者が受け付け前に列を作り、最終的には600人を越える傍聴希望者が集まりました。そのうちで傍聴できた人は抽選に当たった20人のみで、別会場で音声のみの傍聴ができた人が約500人、残り100人はその別会場にも入れませんでした。
 傍聴者には、「育鵬社」教科書の採択に反対する人、賛成する人それぞれの立場から参加しているようでした。
 教育委員会での審議では、すべての教科科目に関わる教科書について教育委員が意見を述べる形ですすめられました。
 歴史の教科書については、「日本の伝統文化尊重の観点」「国旗・国歌」「領土問題」をどのように表現しているかを重視して選定したいという発言がありました。例えば、小浜逸郎委員は伝統文化の尊重という観点から宗教や神話の扱い方が重要な判断基準になると発言しています。公民の教科書について中里委員は、自衛隊、外国人参政権問題、国旗国歌などの書き方が重要であると発言しています。
 このように、学校教科書を通じて「ナショナリズムの復活」を求めようとする教育委員の声を中心にして記名採決が行われ、歴史と公民で育鵬社の教科書の使用が決定されました。
 しかし、多くの市民が教育委員会の傍聴に参加していることは、今後の教科書採択のあり方に希望を持たせるものでした。