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高校神奈川 No.599

2011年12月14日

1000万人署名をやりきろう!
動かそう!民主主義、そして社会を、

フォーラム平和・人権・環境事務局長(神高教執行委員)
 藤本泰成

 9月19日、6万人の人々が明治公園を埋め尽くした。千駄ヶ谷の駅では、ホームいっぱいにあふれた人の波で、電車が通過してしまい参加できない人が出た。朝日新聞は、後日「民主主義が動き出した!」と報じた。大江健三郎さんや呼びかけ人の皆さんにも、ある種の大きな高揚感があったように思う。大江さんは、タクシーの窓から「さようなら原発」のメッセージを示しながら、3方向に分かれたデモを追いかけていた。
 しかし、私は思う。「いまだ、日本の民主主義は動き出していない」。日本のエネルギー政策、原子力発電の推進は政治の深い闇の中で繰り広げられてきた。企業、研究者、官僚、政治家がつくる原子力村。市民の意志の入り込む余地のない、ブラックホールに電力料金のほとんどが吸い込まれていた。そのことがさらに深い闇をつくりだした。私たちは、その闇に光をあて白日の下にすべてを引きずり出さなくてはならない。「脱原発」は社会を変えることだ。その時、初めて「民主主義が動き出す」そう考えている。
 日本全国で「さようなら原発1000万人署名」へのとりくみがすすめられている。社会を変えるために、みんな外に出ようではないか。私たち自身がつくってきた壁を越えて、外に繰り出そうではない。1000万人署名をやりきろうではないか。あなたの隣人に、呼びかけよう、国によって命がないがしろにされる社会はもうたくさんだ! 新しい社会をつくろうと、一人ひとりの命に寄り添う社会をつくろうと。
 私たちには、権利がある。豊かに生きる権利がある。そして政治は、私たちの命を守る義務がある。日本市民よ、怒れ! 声を上げろ! 勝利に微笑むまでもう少しではないか。


2011年を振り返って
働くことってどういうこと?

神高教執行委員(日教組中央執行委員)
 成田恭子

 年を重ねるたびに、過去の記憶は曖昧になる。教え子に会っても、「あなたは何年卒?担任は誰だっけ?」 しかし、2011年この年のことをわたしはきっと忘れない。震災のこと、被災地で出会った人たちのこと―ところが言葉が出てこない。もう少しねかせておこう。そのかわり今年のかけがえない人々との出会いを書かせていただきたい。
 1人は宮崎の相原初男さん。高校の数学の教員を退職後、NPO法人「学習支援悠遊都城教室」を数人の退職教員と営んでおられる。休眠生(通信制高校に在籍はしているが授業登録していない)の支援が目的だった。実際には不登校の中学生やレポートの作成に困った通信制の生徒や単位を落としそうな生徒が駆け込み寺のようにやってきて休眠生は少しも訪れない。
 この夏都城に押しかけた。もと職業訓練校だったという木造校舎は優しい風が吹いていた。退職者の教員が順番に生徒たちを待ち、おりおり小さな菜園で野菜を作っておられる。その日生徒は来なかった。来たいときに来たらいい。心地よい空間だ。学校に行けなかった少女がここで心にエネルギーを取り戻しバイトしている先にも連れて行っていただいた。
 もう一つの出会い、品川区立第三小学校の内野務さん。トントンギコギコ教室はにぎやかだ。3年生から木っ端と釘で釘人形を作り出し、4年生では自在に糸鋸を使う。5年生はおとなが乗っても壊れない小さな家を作ってしまう。「ねえ、ねえ、上がって、上がって」と小さな管理人はせっつくのだった。内野先生は今年再任用を終わる(「トントンギコギコ図工の時間」野中真理子監督作品、ぜひご覧ください)。
 ディーセントワーク―人間らしい仕事、この言葉を想起した。震災のニュースと同時に教職員の多忙化やメンタルヘルスの問題が報じられた。私たちに生き生きと人間らしい生活がなくしてどうして子どもたちにゆたかな学びを保障できるのだろうか? 日教組で労働教育を担当させていただいた。「働くことってどういうこと?」に向き合った1年だった。