神奈川県高等学校教職員組合KHTU
なお「学校間格差」
 公立中の絶対評価
神奈川新聞2005.7.5
  県教育委員会は四日までに、二00二年度から導入された公立中学校の絶対評価について、今春卒業した三年生の学期末の評定分布をまとめ、公表した。評定結果が県平均値より10ポイント以上異なる「特異な分布」が減る傾向にあることから、県教委は「適正な評価が行われた」との立場だが、最高点の「五」の評定を得た生徒の割合を比較すると.教科によっては百倍を超える「学校間格差」がなおあった.(宮本敏也)
今春卒業生の学期末評定  「特異な分布」は減る  県教委まとめ
 公表された評定は、県内のすべての公立中学校から生徒数の少ない単学級の十三校を除いた四百三校分。
 教科ごとの「五」の割合=表参照=を見ると、学校間格差の最大は美術で、横浜市立日野南中が42.1%だったのに対し、相模原市立中央中はO・4%で、格差は一〇五倍強に達した。次いで格差が大きかったのは、技術家庭。藤沢市立鵠沼中の36.4%に対し、藤野町立藤野中は0.0%と「五」の生徒はいなかった。
 最小は数学の八・五九倍で、川崎市立白山中の36.1%に対し、川崎市立京町中と相模原市立谷口中がそれぞれ4・2%だった。
 評定結果は県教委のホームページで閲覧できる。アドレス学習評価-目標に準拠した評価(いわゆる絶対評価)について-(7月6日)
 絶対評価の精度検証  「統一テストと比較」を  
   市町村教委中高の校長  6割以上が望む
 公立高校入試で選抜資料に使われる「絶対評価」の精度を高める方法として、市町村教育委員会、公立の中高校の校長の六割以上が「統一的な客観テストとの比較」を望んでいることが、四日までに県教育委員会がまとめたアンケート調査で分かった。
 アンケートはことし四月から五月にかけ、県内三十七の金市町村教委と無作為に抽出した公立中学校長百四十六人、県立高校長百五十二人、生徒や保護者を対象に実施した。
 絶対評価の精度を高める方法について、市町村教委と中学、高校の校長に複数回答で聞いたところ、市町村教委の70.3%、中学校長の61.8%、高校長の63.8%が「統一的な客観テストとの比較による検証」を選んだ。
 客観テストに次いで多かったのは、「教員向けの研修会」で、市町村教委の62・2%、中学校長の42.0%が支持。高校長も38.8%が開催を望んだ。
現在も行われている「各中学校の評価分布の公表」については、高校長の五割以上が実施するべきだとしたが、市町村教委では24.3%、中学校長では18・3%にとどまった。
〔宮本敏也)
教科別の「5」の割合(%、カット内は学校名)
教科 県平均 最大値 最小値
国語
社会
数学
理科
英語
音楽
美術
保体
技家
13.6
15.O
16.O
14.5
17.1
14.3
12.3
12.0
12.0
28.2(横浜・平戸)
36.8(横浜・鶴見・中川西)
36.1(川崎・白山)
38.0(横浜・桂台)
52.8(川崎・白山)
29.1(藤沢・鵠沼)
42.1(横浜・日野南)
48.6(茅ケ崎・赤羽根)
36.4(藤沢・鵠沼)
2.8(横浜・左近山)
1.9(横須賀・桜台)
4.2(川崎・京町・相模原・谷口)
1.9(横須賀・桜台)
4.2(横浜・左近山)
3.1(相模原・中央)
0.4(相模原・中央)
2.5(相模原・緑か丘)
0.0(藤野・藤野)