教科書採択に関わる声明 |
声明 神奈川県教育委員会は8月20日に開催された臨時会において、県教委事務局が事実上変更を強制した28校の日本史教科書を含む来年度使用する県立高校の全教科の教科書を採択した。神高教は、教科書採択の公正性を確保する視点から、県教委事務局に対して使用希望教科書の「再考依頼」に断固抗議し、各学校への不当な「再考依頼」の即時撤回を強く求めた。また、当該校では、教科書の内容ではなく、外部団体からの圧力の懸念、県教委事務局からの圧力を背景とする教科書の「再選定」が行われたことから、神高教は「再選定」以前に公正かつ慎重に選定された使用希望教科書を採択するよう教育委員会に対して強く要請した。 しかしながら、教育委員会は、1.「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という記載のある実教出版の日本史教科書は本県の卒業式・入学式における「国旗・国歌」に対するとりくみや方針と相いれないことから、校長への「再考依頼」は適切なものと考える、2.再考を求めたすべての学校では、校長が関係職員と協議し校長の責任をもって決定を行ったことから瑕疵はない、という県教委事務局の見解を追認し、今回の決定を行った。 教科書は、現場の教職員が日々接している生徒に最もふさわしい教科書を公正かつ慎重に選定するものでなければならない。今回の教育委員会の決定は、教科書採択の公正性・信頼性を大きく揺るがすばかりでなく、その経過からみても、神奈川県の教育の中立性・専門性を教育委員会が自ら否定する行為であり、教育行政に対する学校現場・保護者・県民からの信頼を著しく損ねるものである。 神高教は、教科書採択に関わる今回の経過・決定について強く抗議し、教育委員会に対し猛省を求めるものである。 2013年8月20日 |