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教育再生会議 道徳の必要性も促す

神奈川新聞2007年05月10日

母乳、子守歌励行を
子育ての「あるべき姿」提言案

 −「立ち入りすぎ」と疑問も
政府の教育再生会議(野依良治座長)は九日までに、子育てや家庭教育の「あるべき姿」を示し、親に自覚を求める提言案をまとめた。母乳育児や子守歌の励行、テレビ視聴の制限、子どもの発達段階に応じた道徳教育の必要性などを打ち出したのが特徴。十一日に合同分科会での協議を経て発表する予定だ。
提言案は山谷えり子首相補佐官(教育再生担当)が主導して一部有識者委員と作成。「当たり前のことを再確認することから教育再生をスタートさせなければならない」と狙いを強調しているが、政府として家庭の問題に「立ち入りすぎ」との疑問の声も出そうだ。
具体的には、乳幼児の親に「子守歌を歌い、おっぱいをあげ、赤ちゃんの瞳をのぞいてください」、「授乳中や食事中はテレビをつけないように」と要請。
同時に「乳幼児期には一緒に歌を歌ったり、本の読み聞かせを行い、小学生時代には今日の出来事を話しましょう」と、親子のふれあいも推奨。一方、インターネットや携帯電話については「世界中の悪と直接つながる」と警告を発している。
発達段階に応じた道徳教育としては1)最初は「あいさつをする」「うそをつかない」「時間を守る」などの人としての基本2)次の段階で「ひきょうなことはしない」「恥ずかしいことはしない」などの社会性を持つ徳目-を教えるよう求めた。
また「日本の美しい心、言葉」として、「もったいない」「ありがとう」などを挙げ、これらの言葉に価値を置くよう促している。再生会議は四月半ば、このアピールをまとめる方針を決めたが、当初使っていた「親学」の用語使用は見送った。