25分授業で集中力維持 |
神奈川新聞2007年06月27日 |
県教委08年度導入 |
県教育委員会は、授業につまずくなど勉強に身が入らず、中退も少なくない県立高校生の「学習意欲向上」に向け、二〇〇八年度から新たな取り組みを始める県立高校三校を決めた。「生徒の集中力を切らさないため」として、教科によっては通常の半分の二十五分授業を導入。基礎学力の徹底と社会人に向けての教育を充実させるとしている。
県教委によると、対象校は田奈(横浜市青葉区)、釜利谷(同市金沢区)、大楠(横須賀市)の三校。二十五分間授業を検討している教科は、英語、数学、国語。通常は五十分授業を週三回ほど行うが、二十五分に半減することで毎日授業し、一日二回の展開も可能になるという。総時間数は変えない。 「積み上げ型」の三教科で授業内容が理解できなくなると、教室で疎外感を味わうケースも少なくないとして、@メリハリある短時間授業A二十人程度の少人数授業B習熟度別授業−などの積み重ねで、基礎基本の定着を図るとしている。 また、インターンシップやボランティア活動なども促進し、社会人としてのマナーを身に付けさせたいとし、集団行動を学ぶ場として部活動の必修化も検討する。 生徒が小中学校に出向いてクラブ活動で教える機会も設ける考えで、県教委高校教育課は「生徒に達成感や自信を付けさせる取り組みを進めたい」と強調。田奈高の中田正敏校長は「少人数授業は効果的だが、二十五分授業については研究が必要。学力だけでなく、人との関係づくりを支える取り組みこそ重要だ」と話す。 三校は県立高初のコミュニティースクールとして、保護者ら関係者参加型の学校を目指す。取り組みに賛同する教諭を公募するほか、教員増も検討する。 三校とも一学年約二百四十人。本年中に各校の取り組みを具体化し、〇八年度から順次始め、〇九年度から本格化させる。独自の入試についても検討する。(成田洋樹) |