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大学現役進学初の5割超え

神奈川新聞2007年08月04日
県内公立高全日制
大学現役進学初の5割超え

 県内の公立高校全日制を今春卒業した生徒のうち、大学や短大に現役で進学した生徒が初めて五割を超え、過去最高を記録したことが、県教育委員会の調査で分かった。少子化で大学を選別しなければ合格できる「大学全入時代」が背景。現役志向の高まりも押し上げの要因とみられる。
 大学や短大などに進学した生徒は一万九千九百七十六人で、卒業生の51.1%(前年度48.1%)に上った。調査を始めた一九七二年度以降で最も高く、大学43.6%、短大7.2%だった。
 現役大学進学率が最も低かったのは団塊ジュニア世代が受験した八九、九〇年度の24.5%。九三年度に30%台、九九年度には40%を超えた。
 二〇〇五年度卒業で一年浪人した生徒の大学進学率は卒業生の6.7%。同年度の現役進学者は40.2%だった。九六年度卒業生の現役22.1%、一年浪人12.6%と比べても、大学進学者増と現役志向の高まりが読み取れる。
 教育関係者は「『中堅校』とみなされている高校の多くで大学進学者は増えている」とみる。
 しかし、「全入時代」の影響が少ない高校もある。難関大志向が強い横浜市内の県立高では七割近い百九十人が現役組だが、「志望校に合格できなければ浪人する流れは以前と変わりはない」と話す。一方、二割強の五十人超が現役で大学進学した同市内の県立高は、短大も含めた進学率が〇三年度より6ポイント滅の33%。逆に就職率が5.2ポイント増の10%に上り「経済的に余裕がなく、就職する生徒が増えている」と格差社会の反映を指摘した。(成田洋樹)