氏名収集「不当」 |
神奈川新聞2007年10月29日 |
君が代斉唱時の不起立教職員 県教委に是正答申 異議申し立てをしていた県立高校の教職員17人のうち10人が同日、明らかにした。答申は24日付。県教委高校教育課は28日、「尊重せざるを得ない」とコメント。県教委が拘束力のない答申に従うことを決めた場合、氏名を収集している2006年の卒業式以降、計4回にわたり各校長を通じて集めた延べ193人分の関係賃料は廃棄されることになる。 答申などによると、県教委は起立しなかった教職員の氏名について「学習指導要領の趣旨に基づく服務に関する情報」と強調。さらに、不起立の理由を教職員にただしていないとして、「内面にかかわる情報は収集していないため、思想信条は知り得ない」との見解を示していた。 答申では、不起立の意味について「過去に日の丸・君が代が果たした役割を踏まえた、一定の思想信条に基づく行為と推測される」と認定。「理由が記されないことで、思想信条に該当しないということはできない」として県教委の主張を退けた。一方で不起立情報が「服務情報としての側面も持つ」とも併記した。 同条例は思想、信条に関係する個人情報の収集や保管、利用などを禁じているが、県個人情報保護審議会が正当な事務事業の履行のために必要と判断した場合は例外的に組められている。 答申では、県教委が同種の情報を今後収集する場合、同審議会への諮問の必要性を指摘。これを受け、県教委は諮問を含め今後の対応を検討するとしている。 県教委は東京都教委のような懲戒処分は実施せず、校長を通じて指導を続ける方針に変わりはないという。 (成田 洋樹) |