座間に県立高定時制
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神奈川新聞2008年02月21日 |
10年に新設 生徒数急増に対応
県内公立高校定時制の生徒が急増している問題で、県教育委員会は2010年4月、座間市に県立高定時制を新設する。09年4月に県立栗原高との再編統合で遊休化する県立ひばりが丘高(座間市ひばりが丘三丁目)の校舎を活用する。
全国では定員割れなどから削減傾向にある定時制を増やすのは異例。全日制公立高の定員枠が少ない影響で全日制希望者が定時制にはじき出され、定時制の生徒数が増えている神奈川の特殊事情が背景にある。
県教委高校教育課によると、県立高定時制の増設は1969年度以来約40年ぶり。全日制に併置されない単独の定時制設置は県立で初めて。
定時制では昼間働きながら学ぶ生徒が減る一方で、不登校経験者や外国籍生徒らが増えている。こうした定時制生徒のライフスタイルの変化に合わせるとして、県教委は午前、午後、夜間の三部制の定時制を導入する。定員規模は今後詰め、入試では各部ごとに生徒を募集する見通し。
県内の定時制は近年、志願者殺到で合格枠を急きょ拡大するなど混乱が続いている。生徒急増で定時制本来のきめ細かな教育が難しくなっており、現場の教員らから教育環境の悪化を懸念する声が上がっていた。
県教委は新校開校で、県央地域周辺で生徒数が多い県立高定時制の「過大規模」の改善が進むと見込む。
一方で、全日制公立高の定員枠を増やさずに定時制新校を開校する手法に、教育関係者は「全日制の定員枠を増やすことが先決」と話している。
また、定時制新校には、生徒増に対して施設整備が追いついていない県立養護学校高等部の分教室も10年4月に設ける予定。
(成田洋樹)
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