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教員のメンタルヘルス

神奈川新聞2008年11月07日

対策「十分」は1%
全国教委98%が必要性認識

 精神性疾患で休職する教員が増える中、メンタルヘルス対策が「必要」と認識している教育委員会は78・6%に上る一方、具体策に「十分、取り組んでいる」とする教委は0・8%にとどまっていることが六日、文部科学省の委託調査で分かった。

 教員への調査では、うつ病傾向と関連が深い「気持ちが沈んで憂うつ」との質問に28.5%が該当すると回答。二〇〇二年に調査した一般企業の9・5%と比べ約三倍という結果だった。
 調査はカウンセリング会社が東京都教職員互助会の協力を得て実施。今年三月までに、全国千八百四十二教委のうち四百七十三教委、七都道県の公立小中学校の教員約千百人から回答を得た。
 結果によると、メンタルヘルス対策は「必要」78・6%と「まあ必要」19・9%を合わせ、ほぼすべての教委が必要性を認めた。しかし対応策では「十分に取り組んでいる」が0・8%、「まあ取り組んでいる」は17・8%だった。
 逆に「あまり十分とはいえない」「不十分」は計73・8%。不調な教員が増えれば、児童生徒に影響が及ぶと危ぶむ声は多いが、「対策の担当者が不足」「予算が取れない」などを理由に態勢ができていないとした。
 「仕事に意義・やりがいを感じる」とした教員は90・0%と高率で、カウンセリング会社が実施した一般企業調査(〇二年)の52・0%を上回った。一方で「勤務時間外の仕事が多い」との回答は89・0%あり、一般企業の約二倍だった。
 普段の仕事で「とても疲れる」とした教員の割合も44.9%あり、意欲はありながらも疲労やストレスを抱えながら教壇に立っている状況がうかがえた。

教員の精神性疾患
 
文部科学省によると、2006年度に病気休職した公立小中高校などの教職員は7655人。このうち、うつ病など精神性疾患を理由に休職したのは4675人で過去最多を更新し、61%を占めた。背景にあるとされる教員の多忙化を解消するため、文科省は学校現場の事務負担を軽減する施策を進めている。各教育委員会も相談窓口設置など予防に取り組むが、増加傾向に歯止めがかかっていないのが現状。