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流出の個人情報

神奈川新聞2008年11月14日

「削除の方法ない」
IBM側、苦しい釈明

 「現時点でも閲覧は可能」「削除の方法は見つかっていない」−県立高校に在籍していた生徒二千人分の個人情報の流出を受け、十三日午後に県庁で開かれた会見に同席した日本IBM幹部は、流出データをインターネット上から消去する手だてがないことを明らかにした。県教育委員会などは今後、県警に捜査を依頼するというが、IBM側は「犯罪でない限り、警察には積極的に動いてもらえない」などと苦しい釈明に終始した。
 同社の出澤研太常務執行委員は「ファイル共有ソフト上のデータ削除は技術的に難しい。データを持っている本人でないと消去できない」と説明。ネット上の識別番号までは解析できるが、データ所有者の特定にはプロバイダーの協力が不可欠という。
 しかし、同社は「電話番号から住所を教えてもらえないのと同じ。当社の技術者でも、あるところがら先は調査し難い」としており、捜査機関を通さないとプロバイダーへの調査依頼もできないのが現状。その上、犯罪の意図を立証しないと、警察の協力を得るのは難しいという。
 会見では、今後のIBMの対応について質問が相次いだが、出澤役員は「流出が広がらないか、継続監視する。いつまでも置いておけないので、削除の方法を模索したい」などと述べるにとどまった。(真野太樹)