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暴力行為 3年連続 全国最悪

神奈川新聞2008年11月21日

いじめ県内学校1400件減
07年度文科省調査

 県内の国公立と私立の小中高校が二〇〇七年度に認知したいじめの件数が、前年度より約千四百件減の四千四百八十二件だったことが、文部科学省の問題行動調査で分かった。一方、子供の暴力行為は過去最多の七千七百三十五件。一九九七年度以降、〇四年度を除き全国ワーストが続く。(真野太樹)


いじめ依然10万件超 
全国小中高校 暴力行為は過去最多

 二〇〇七年度に全国の国公私立の小中高校が認知したいじめ件数は、前年度から約二万四千件減ったものの、十万一千百二十七件と依然多いことが二十日、文部科学省の問題行動調査で分かった。
 学校内外で起こした暴力行為は、約八千件増の計五万二千七百五十六件と過去最多だった。
 いじめは、調査対象の定義を拡大し〇六年度に急増。文科省は、なお把握が不十分な学校もあると指摘、個人面談や家庭訪問などで早期把握を求めている。
 いじめの内容(複数回答)で最も多いのは、からかいや悪口の64%。仲間外れが23%、たたかれたりけられたりするが19%だった。パソコンや携帯電話のメールなどを使った「ネットいじめ」は、約一千件増え五千八百九十九件で全体の6%を占めた。
 自殺した百五十八人(前年度百七十一人)のうち、中学生一人、高校生四人がいじめを受けていた。
 学校別では、小学校四万八千八百九十六件、中学校四万三千五百五件と多く、高校が八千三百八十五件、特別支援学校が三百四十一件。都道府県別の千人当たり認知件数は、最も割合が高い岐阜が三三・四件、最も低い和歌山が一・二件と、前年度同様ばらついた。
 暴力行為では「生徒間暴力」が二万八千三百九十六件と最も多く、「器物損壊」が一万五千七百十八件、「対教師暴力」が六千九百五十九件だった。
 加害者の児童生徒数は小学生五千百十一人、中学生三万八千二十三人、高校生一万三千二百九十人。学校側の措置は、中学生では訓告が最も多く千三百九十七人。高校生で最も多かったのは自宅謹慎の五千四百二十四人で、停学も三千二百二十二人いた。

◆問題行動調査
いじめや暴力行為のほか、出席停止、不登校、自殺、退学などの件数や状況、内容についての調査。過去7年連続でいじめ自殺を「ゼロ」とした調査結果が実態を反映していないと批判を浴び、文科省は2006年度調査から、いじめの定義を拡大するなどした。このため、06年度のいじめ認知件数は05年度から6・2倍の約12万5千件に上った。07年度の高校生の不登校は約5万3千人、退学者は約7万3千人。


生徒間、器物損壊が増加 「暴力行為」は2865件
 横浜市立の小中高校 07年度市教委まとめ

 横浜市立の小中高校で二〇〇七年度中に起きた「暴力行為」は前年度比12・3%増の二千八百六十五件と過去最高を記録したことが二十日、市教育委員会のまとめで分かった。一方、同年度に認知された「いじめ」は千二件で、26・2%の大幅減となった。(宮本敏也)

 児童・生徒による暴力行為の内訳は小学校三百九十八件、中学校二千四百六十四件、高校三件。
 内容別では「生徒間暴力」が千四百二十四件(前年度比16・1%増)、「対教師暴力」が三百七十五件(同9・6%減)、学外の人への「対人暴力」が三十八件(同11・6%減)、教室の窓ガラスを割るなどの「器物損壊」が千二十八件(同18・6%増)だった。
 生徒間暴力と器物損壊の増加が顕著な背景として市教委は、ささいな人間関係のトラブルでも安易に暴力行為に走る「キレやすい子供」の増加を指摘。「相手の痛みを思いやる気持ちをはぐくんだり、感情のコントロールを学んだりする授業を一層進めることで暴力行為を減らしたい」と話している。
 一方、大幅に認知件数が減った「いじめ」の内訳は、小学校が29・5%減の四百四十二件、中学校が22・5%減の五百五十五件だった。市教委は「早期発見、早期解決に向けた教員向けの研修会を開くなど、学校を挙げて対策に取り組んだ成果が表れた」と分析。「引き続き、いじめ防止に力を注ぎたい」としている。