県教委が保護者に面会 |
神奈川新聞2008年11月29日 |
神田高不適正入試 二十八日には高校教育企画室長ら担当者三人が小田原市内に出向き、午前十時から十八歳の長男が不合格とされた母親(53)と面会した。長男は仕事で欠席した。 担当者は〇五年度の後期選抜試験の合格者七十八人のうち長男の順位を示して「この成績なら不合格になる理由はなかった。お怒りは当然だと思う。謝って済むものではないが、本当に申し訳ない」と深々と頭を下げた。また、「これ以外の資料は残っていないので、どの場面で(外見を)判断したか判明していない」とも説明した。 母親は、長男が転校した横浜市立中の校長ら周囲の励ましで前向きになった経緯を説明。「家計を考えて私立高校受験はあきらめていた。体が丈夫ではないので高校で体を鍛えて大学または専門学校で学ぶことを思い描いていた」と無念さをにじませ、「事実を知って本当に悔しい気持ちでいっぱい」と訴えた。(鈴木秀隆) 他の公立高では不適正判定なし 県教委の調査終了 県立神田高校(平塚市)の不適正入試問題で、県教育委員会の山本正人教育長は二十八日、県内の公立高校百四十六校の過去三年分の入試を対象にした調査をほぼ終了し、同校のような不適正な合否判定はなかったと会見で表明した。十二月四日以降の県議会で正式に報告する。 調査は願書受付日や受験日の服装や髪形で判断するなど、公表された基準以外で合否を決めていないかどうかが対象。山本教育長は「現時点で不適正な行為は確認されていない。結果は外部の大学教授らにも見てもらう」と述べた。 また、解任された同校の渕野辰雄前校長の復職を訴える署名を在校生やPTAが提出したことに対し、山本教育長は「校長を戻すことはまったく考えていない」と明言。「前校長の学校改革などの取り組みへの評価は理解できるが、一連の入試で起こったことは不適正だったと言わざるを得ない」と説明した。 松沢成文知事が前校長への懲戒処分は必要ないとの見解を示しているが、教育長は「ルール違反に対し、何の対応もしないことはあり得ない。不合格にされた二十二人の意見を聞き、入試にかかわった教員への事情聴取を終えた上で教育委員会に諮る」と強調。処分決定は来年にずれ込むとの見通しも示した。(真野太樹) |