不合格者11人と面会 |
神奈川新聞2008年12月23日 |
神田高校の不適正入試 すでに就職「今さら…」 県教委によると、面接した元受験生は転入学を望む声のほか、不本意な形で別の私立高校などに進学したため学費の一部負担を県教委に求めたり、進路変更によって生じた精神的苦痛に対する補償を訴えたりする声が出ているという。 山本教育長は「二十二人全員に対し、私が直接出向いて謝罪したい」とした上で、「神田高校への転入学を希望する方には来年四月から、自然な形で通えるよう配慮する。経済的な負担に関しても誠実に話し合いに応じたい」としている。 元受験生や家族の多くは、問題発覚後に解任された同校の前校長に対して「責任がある」という厳しい意見を寄せているという。県教委は二十二人全員の考えを聴取した上で、来年一月にも前校長への処分一を決定する方針。 神田高で基準点を超えながら不合格になったのは二〇〇四年度、〇五年度実施の入試でいずれも六人、〇七年度は十人。県教委は面会を終えた十一人の内訳を明らかにしていないが、〇四年度の元受験生は合格していれば今春卒業したはずだった。〇五年度も進学した同級生は三年になっており、これから入学するのに抵抗があるのが実情だ。 面会を終えた元受験生の保護者の一人は二十二日、神奈川新聞社の取材に対し、気持ちを切り替え仕事を見つけた長男(18)の近況に触れ、「もし神田高に入学していたら、就職や進学など進路が決まる時期。謝罪されても、今さらという気持ちでいっぱい」と悔しさをにじませた。さらに、「息子を信頼して雇ってくれた会社に、高校に入りたいから辞めるなんて無責任に言えない」。 十一月下旬に行われた県教委担当者との面会で、この保護者は「合否判定の資料が残っていない」と説明を受けた。「受験当日はきちんとした格好で行ったのに。何が原因で不合格にされたかも分からず、すっきりしない」と釈然としない様子だった。 |