本文へジャンプ

ホーム > 神奈川の教育情報 > ニュース > 県教委への相談計270件

県教委への相談計270件

神奈川新聞2009年01月13日

認識の甘さ指摘する声も
流出ショック 県立高11万人情報

 県立高校生約十一万人の個人情報が流出した問題で、県教育委員会に寄せられた九日からの相談数は、計約二百七十件に上った。県教委は今後、約十一万人に流出経緯を記した通知を郵送するというが、システム開発を業者に委託した県教委側の認識の甘さを指摘する声も出ている。
 情報流出を発表した八日の記者会見。ニカ月前に流出の可能性があると公表した会見では不在だった山本正人教育長が出席し、事の重大さに頭を下げた。
 県は「膨大な情報を扱うシステムのため、県独自で開発、運営することは難しい」と説明。個人に対する情報保護規制を国に要望する方針を示した。
 だが、ネット犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士は「今回のような事態は十分考えられる。業務委託するなら、パソコン作業をする部屋を限定するなど、委託内容をより厳密にするしかない」と、そもそもの県教委の認識の甘さに首をかしげる。
 同弁護士は、一般企業では情報管理のために外部記憶装置を持たないパソコンの導入が進んでいることなどを例に挙げ、「自治体は主にコストを抑えるために業務委託しており、セキュリティーは甘くなる傾向にある。情報漏れを防ぐためには、コストを掛けて新しいシステム整備を進めるべきだ」と指摘した。
 これまで県教委に寄せられた相談は、大半が「口座変更の必要があるか」「自分の子供は該当しているか」などの問い合わせだというが、中には「口座を変えたが、掛かった交通費を業者に支払わせろ」といった苦情もあったという。  (報道部)