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県立中等教育学校2校の志願倍率

神奈川新聞2009年02月21日

地の利で2倍越の差

 今春の開校に向け、二月一日と七日に初めての入学試験を実施する平塚と相模原の県立中等教育学校。県内初の公立中高一貫校として注目を集める二校の志願者数が十九日発表されたが、両校の倍率には二倍超の差が生じた。中学受験への関心の度合いの違いに加え、「交通の便」の良しあしが、結果を大きく左右したようだ。(田口要)

 両校の定員はともに男女八十人ずつ。相模原中等教育学校(相模原市相模大野)の志願者数は二千六百二十六人で倍率は16・41倍。一方、平塚中等教育学校(平塚市大原)の志願者数は千三十二人で倍率は6・45倍だった。
 両校の倍率に大きな差が出たのはなぜか。県教委高校教育課は、昨年十一月に開催された説明会の参加者数が相模原校で約六千四百人、平塚校で約二千八百人だったことから「ある程度、倍率に差が生じるとは思っていた」と説明。その理由として、交通の便を挙げる。
 相模原校は小田急線相模大野駅から徒歩約十分と近い。一方、平塚校はJR平塚駅からバスと徒歩で計約十七分、小田急線伊勢原駅からもバスと徒歩で計約二十五分かかるという。
 県教委は県立高校改革の一環として、中等教育学校を二校設置することを決定。実質的に中高一貫教育を行っている私立学校の配置バランスなどから、県南部の平塚市と北部の相模原市に設置することを決めた。
 中学受験情報誌「進学レーダー」の児玉徹編集長は「相模原校がやや上とは思っていたが、これほど差が出るとは」とコメント。教育内容や進学実績が同じ私立校二校でも、交通の便の差で志願者数に差が出るといい、「学校の価値を決めるものではないが、交通の便は受験生が志望校を決定する際の大きな要素の一つになっている」と話している。