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携帯トラブル 中高生65%が経験

神奈川新聞2009年02月26日

文科省初調査
小6所有率は24.7%

 携帯電話を持つ中学二年と高校二年の65%程度が他人の悪口などを書き込んだ「チェーンメール」といったトラブルを経験していることが二十五日、文部科学省の初の利用実態調査で分かった。所有率は小六が24・7%、中二が45.9%、高二95・9%。年齢上がるにつれインターネットの利用も増え、高校生の活用ぶりが顕著となった。

 携帯サイトなどをめぐっては、保護者の70%以上が有害情報への規制強化を望んでいることも判明。利用マナーなど情報教育の充実とともにあらためて論議となりそうだ。  調査は、昨年十一〜十二月に実施、小中高の約一万人と保護者約九千五百人から回答を得た。
 結果によると、一日のメール送受信件数は、十件以上が小六で22.8%、中二61.3%、高二58.4%。五十件以上は中二で19.5%、高:で13.9%に上った。
 一日平均三十分以上ネットを利用するのは小六12.6%、中二41.4%。高二は61.6%と高く、40.1%が自己紹介するサイト「プロフ」を公開していた。
 主な利用場面は、小中高とも「部屋などで一人で」が最多で、中二と高二は85%超。中二46.9%、高二70.9%が午後十一時以降だったが、高二の18.1%は授業中にも使用していた。
 トラブルでは、「ない」と回答したのは小六は62.9%だったが、中二は28.3%、高二は27.6%で、「無回答」を除くと中二、高二とも65%程度がトラブルを経験。
 内容(複数回答)ではチェーンメールや迷惑メール、不当請求が多かったが、掲示板などに自分の悪口を書かれた経験が中二で6.O%、高二で9.4%あった。逆に中高生の20%以上は自らチェーンメールを送り、約5%は悪口を書き込むという問題行動もあった。
 携帯やネットを利用した犯罪や「ネットいじめ」は年々増えており、文科省は「早い段階から正しい使い方やマナーを身に付けることが重要」としている。

高2の4割「プロフ」公開
 文部科学省の携帯電話調査で、所有率ほぼ1OO%となった高校二年は90.5%がメールを送受信し、音楽などのダウンロードの利用も70.2%と小中学生よりはるかに駆使している実態が浮き彫りになった。利用をめぐり、親の認識とはギャップもあった。
 主に携帯を使って他人のブログや、趣味など自己紹介をするサイト「プロフ」を見ていると答えたのは63.3%、自分のプロフを公開しているのは40.1%にもなり、ネットワークづくりに関心が高い。一方で、子どものプロフ公開を知っている親は13.7%にとどまった。
 携帯小説や漫画を読んだり、興味のあることを調べたりするのに使っている生徒も各41%。13.8%はネットショッピングもすると答えた。
 ネットいじめの舞台にもなる学校裏サイトを見るのは11.7%、書き込んだというのも3.7%いた。出会い系サイトでは2.5%が見ており、1.8%は書き込みをすると回答していた。
 高二が携帯を使うのは「平日に自分の部屋で一人のとき」が89.4%で、「午後十一時以降」の深夜が70.9%と、親の目が届きにくい状況だった。
 親の31.7%は「ネット利用のルールを家庭で決めている」と答えたが、子どもの高二は14.3%で差が開いた。
 高二はネットが使えない機種や有害サイトの閲覧を制限するフィルタリング機能を利用しているのが15.6%と、小中生と比べて大幅に低く、有害情報にも接しかねない状況となっていた。

携帯電話をめぐる動き
携帯電話への依存や犯罪被害、メールやサイトによる「ネットいじめ」などが問題化し、子どもの使用を制限する動きが拡大。昨年12月、大阪府の橋下徹知事が小中学校への持ち込みを禁じるアピールを出した。文部科学省は公立小中学校の9割以上が原則持ち込ませていないとの調査結果を踏まえ、今年1月に原則禁止を通知。政府の教育再生懇談会も2月、持ち込み原則禁止や、持たせるかどうかは危険性を把握した上で保護者が判断するよう提言をした。