不登校最多の7992人−県内公立中 |
神奈川新聞2009年07月28日 |
小学校は減少に転換 08年度の公立中学校の生徒数は前年度より1:0%増えて19万9652人。不登校の生徒数は43人(0.5%)増え、5年連続の増加となった。長期欠席者のほかの理由では、「病気」が874人(前年度比104人減)、「経済的理由」が11人(12人減)だった。 私立中学校の不登校生徒数は279人(25人増)、国立は15人(2人増)だった。 一方、公立小学校の不登校児童は2047人で、前年度より106人(4.9%)減少し、増加傾向に歯止めがかかった。ほかの理由では、「病気」が1551人(251人減)、「経済的理由」が5人(2人減)だった。 県教育委員会の担当者は「不登校の児童・生徒は依然として多く、大きな問題」と説明。その上で、「魅力ある学校づくりを進めるとともに、毎月3日間以上の欠席者の状況把握やフリースクールとの連携などの対策を図りたい」と話している。 不登校問題に詳しい特定非営利活動法人(NPO法人)「教育研究所」(横浜市港南区)の牟田武生理事長は不登校の増加について「背景にあるのは、ゆとり教育から学力重視教育への移行。学校現場で生徒指導がおろそかになっている」と指摘する。 さらに「行政の対応は『しばらく様子を見ましょう』といった通り一遍の対応になりがち。不登校が減少している地域がやっているような、児童生徒に対するタイプ別の対応や“声掛け”中心とした地域コミュニティーの形成が求められる」と強調している。 |