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「すべて私立」公立の3倍

神奈川新聞2010年01月28日

幼稚園から高校の学習費
08年度調査

 幼稚園から高校までの15年間を、子ども1人がすべて私立に通った場合に保護者が支払う学習費総額の平均は1663万円で、すべて公立の551万円の3倍になることが27日、文部科学省の2008年度学習費調査で分かった。小中が公立の場合でも大都市ほど支出額が大きくなった。

 小中は公立で、幼稚園と高校が私立だと785万円、小学校以外は私立に通うと1012万円。
 調査は1994年度から隔年で実施。無作為抽出した保護者約2万8千人が対象で、回収率は81・5%だった。前回調査は、「すべて私立」の総額が「すべて公立」の2・9倍だった。
 学習費は、入学金や授業料、学習塾費、習い事の費用、学用品費などを合わせた年間の総額。08年度に私立小学生の保護者が支払った平均は139万円、公立小だと31万円。中学は公立48万円に対し私立124万円、幼稚園は公立23万円に私立54万円、高校は公立52万円、私立98万円だった。
 人口規模別では、「5万人未満」の地域で公立小の学習費総額が25万円だったのに対し、「15万人以上」は32万円、「政令市・東京23区」が36万円。公立中も「5万人未満」は39万円で「15万人以上」50万円、「政令市・東京23区」53万円と大都市ほど増加した。塾などに通わせる家庭が多いためとみられる。
 私立に通わせている保護者の年収は「1200万円以上」の高所得者が小学校で42%、中学校32%、高校17%を占めた。
 学習塾費用や習い事などの「学校外活動費」は、私立小が前回とほぼ横ばいの56万円だったが、公立小は3万円減の21万円だった。文科省は「経済情勢悪化の影響ではないか」としている。