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小学校に専任教諭 横浜市教委10年度は70校

神奈川新聞2010年02月15日

いじめ、不登校対応

 横浜市教育委員会は2010年度、市立小学校70校に「児童支援専任教諭」を配置する。いじめや不登校、暴力、発達障害など、学級担任だけで抱え込みがちだった課題に対応し、校内で中心的役割を担う。小学校への配置は全国的にも珍しく、14年度までの5年間で全346校への配置を目指す。 (遠藤綾乃)


 専任教諭は、各校にいる熟練教諭を校長が任命。担任は持たず、授業数を週12時間以内と大福に減らし、その分の時間をいじめや暴力の防止、担任支援、地域連携の促進などの活動に充てる。専任教諭が外れる分の授業は、非常勤講師を各校に派遣し対応する。10年度予算案には、非常助講師の人件費として1億1800万円を計上した。
 市教委は07年度から09年度までの3年間、全18区に約1校ずつモデル校を設置。専任教諭が登校をしぶる子どもの迎えを行ったところ、不登校の児童が減るなど成果があったという。全国的にも珍しい取り組みとして、昨年12月には文部科学省からの視察も受けている。
 専任教諭を配置する背景の一つには、特に小学校で増加の一途をたどる暴力行為の発生に、歯止めをかける狙いがある。
 県内の暴力行為の発生件数は、4年連続で全国最多。横浜市立小学校では08年度、児童による暴力行為が559件(前年度比40・5%増)に上った。市教委によると「突然暴力に訴えるなど、コミュニケーション能力の不足といった社会的スキルの欠如」が特徴の一つという。学級を受け持つ担任教諭だけでは対応しきれない、きめ細かい児童指導を専任教諭が行い、問一の解決につなげていく考という。
 市教委では、10年度の専任教諭の配置校を23日まで募集。各区の数校程度で実施する予定だ。