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学力テスト 抽出方式で初実施

神奈川新聞2010年04月21日

自主含め7割超が参加

 文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学カテスト)が20日、一斉に行われた。過去3回は小学6年と中学3年の全員が対象だったが、政権交代に伴い30・7%の学校を選ぶ抽出方式に転換。抽出から外れても希望すれぱ利用できるため、自主的に参加する学校が相次ぎ、全学校数の73・5%に当たる国公私立2万3875校が参加、小6約80万人と中3約82万5千人の計約162万5千人が挑んだ。

 抽出率の内訳は小学校25・3%、中学校41・5%。抽出対象外校のうち、61・7%(1万3896校)が自主参加した。
 公立は、好成績が過去続いた秋田や福井など13県で全校参加。公立の小中学校を合わせた都道府県別の抽出率は愛知の14・8%から高知の57・6%までかなり幅が出た。
 テストは算数・数学と国語の2教科で、大きなトラブルもなく終えた。学校側対象の調査では、昨年の結果を踏まえて学力向上の取り組みを保護者や地域に働き掛けたかなどを質問。文科省は「新聞から情報を読み取るなど実生活を意識した内容を盛り込んだ」と出題意図を説明した。
 抽出対象校の採点や集計作業は国費負担で民間に委託し、結果は7月に返却予定。都道府県別の成績は引き続き集計、公表する。希望利用校には問題が無償で提供されるが、採点や集計は自治体や学校の負担となる。
 市町村別、学校別の集計は今回しないため、文科省は学校や市町村教育委員会が独自に集計できる支援ソフトを全参加校に配布する。
 今後のテストについて、川端達夫文科相は記者会見で「教科を増やしても良いという意見もあり、(夏の)概算要求までに検証する」と語った。

県内参加率30.5%−低さ全国2番目 自治体対応分かれる
 20日実施された全国学カテストで、県内では抽出された公立小中学校303校に加え、89校が自主的に参加、参加率は30・5%で、愛知県に次いで全国で2番目に低かった。独自テストを実施している横浜、川崎市教育委員会が自主参加を見送った一方、小田原、秦野市など4市7町の教育委員会が全校自主参加するなど、自治体ごとに対応が分かれた。
 文部科学省は県内から小学校170校と中学校133校を抽出。県内公立学校の6・9%に当たる小学校62校、中学校27校が自主的に参加を希望した。県内の公立小中学校全約1300校のうち、約5割を抱える横浜、川崎市教委に希望利用校がなかったことが参加率を引き下げた形だ。
 横浜、川崎市教委はすでに実施している市独自の学カテストで「児童、生徒の学力を把握できる」と判断。負担軽減のために抽出校以外の自主参加を見送った。
 教育委員会単位で文科省に希望利用を申請したのは小田原、秦野、伊勢原、南足柄市と大磯、中井、大井、松田、山北、開成、箱根町の4市7町。全校参加する小田原市教委は、2007年に始まった全国学カテストに合わせて市独自のテストを廃止。今回のテストで「児童、生徒の学力レベルを全国と比較することができる」とする。
 同様に抽出校以外の全学校が希望利用を申請した秦野市。一斉テスト形式にはせず、希望利用校の実態に合わせて授業などで問題を活用するという。(佐野克之)