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憲法記念日各地で集会

神奈川新聞2010年05月04日

安保論議 活発に

 憲法記念日の3日、県内では平和団体などが相次いで集会を開催した。今年は日米安保条約が改定されてから50年の節目となったことから、日米同盟や在日米軍基地問題をめぐる議論が活発に交わされた。(報道部)

基地「理念と矛盾」護憲派
 労働組合や平和団体などでつくる「かながわ憲法フォーラム」が横浜市中区の開港記念会館で開催した県民集会は、「『日米安保50年』をどうこえるか一これからの平和・安全保障」がテーマ。
 講演した沖縄大学の前田哲男客員教授は、憲法が改正されずに守られてきた意義を強調する一方で、「憲法の価値が十分に生かし切れていない面も認めないといけない」と問題提起。「憲法の理念と外国の軍隊が存在することの矛盾は当然浮かぶ」として、日米安保条約を取り上げた。
 その上で、海外の例を紹介しながら「外国の基地を撤去させるきっかけとなるのは政権交代だ」と指摘。米軍普天間飛行場の無条件撤去を米側に投げかけるよう訴えた。  また、神奈川区では神奈川憲法会議主催の「憲法改悪を許さない5・3県民のつどい」が開催。米軍ヘリコプターが普天間基地に隣接する沖縄国際大学に墜落した2004年夏の模様が上映された後、同大学の井端正幸教授が「憲法と安保50年」をテーマに講演。日米地位協定で米軍主導だった現場検証に触れながら、「米軍が最優先の安保を破棄して、日本国憲法を生かすべきだ」と主張した。

「自衛隊増強を」改憲派
 相模原市南区の「グリーンボール相模大野」では、日本青年会議所関東地区神奈川ブロック協議会が、タウンミーティングを開催。政府の歴史見解を否定する論文を公表したとして更迭された田母神俊雄元航空幕僚長が講演を行った。
 田母神氏は、憲法について「米国から押しつけられたもので、日本の弱体化の原因」と主張し、「自衛隊を増強し、自分たちで国を守れるようにしないといけない」と自主防衛の必要性を指摘。武力行使を禁じた憲法9条に関しても「武力行使をしないのでは、相手になめられる」などと述べ、改憲論を展開した。