県教委 教科書採択 | |
神奈川新聞2011年08月03日 | |
県教育委員会(平出彦仁委員長)は2日、定例会を開き、県立平塚中等教学校前期課程(中学相当)で来春から4年間使用する歴史教科書について、国を愛する心を育むことを主眼に置く育鵬社版を採択した。県内で同社の教科書が採択されるのは、藤沢市(歴史・公民)に次いで2例目。 |
「学校の意向重視」−「使いやすい」全会一致で 歴史認識をめぐって論争が起きている育鵬社の歴史教科書が2日ね県立平塚中等教育学校(平塚市大原)で使われることが決まった。県教委は「学校現場の意向を重視して採択した」としている。 この日の委員会には、定員15人に97人が傍聴を希望。同校が目指す教育や教科書選定経過について報告を受け、6人の教育委員が意見を交わした。 倉橋泰委員(情報誌「ぱど」社長)は「先生が使いやすい教科書がいい。任せるべきだ」と表明。平出彦仁委員長(相模女子大客員教授)は「現場の先生の意向を踏まえないで決めるのはおかしい。先生が良いと思う教科書が選ばれなければいけない」などと述べ、学校の意向を重視するよう求める声が相次ぎ、全会一致で育鵬社の教科書を採択した。 委員会では教科書の記述内容や歴史認識については論議されておらず、採択に反対するグループは抗議集会を開催。「戦争を肯定的に記述し、見本本と同様の本を市販し教科書宣伝するなど、教科書発行者の倫理観も欠如している」などと批判する声明を出した。(佐野克之) |