変わる公立高入試 13年度選考基準 | |
神奈川新聞2012年6月18日 | |
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特色検査 全日制18校実施へ 調査書、学力検査、面接による評価に加え、各校の判断で実施される「特色検査」。このうち記述問題やスピーチなどの「自己表現検査」は全日制の18校などが行う。 県教育委員会が指定する「学力向上進学重点」18校のうち、特色検査を実施するのは8校。また各校が作成する「独自問題」を前回の入学者選抜まで実施していた6校と横浜市立1校が行う。 県立湘南(藤沢市)の羽入田眞一校長は、面接だけでは見られない「真理を追究したり、洞察力をもって物事をとらえたりする姿勢を知りたい」と語る。問題や資料を読み自分の考えを短い文章にまとめるなどの記述問題を予定している。 一方、独自問題を出題してきた県立横須賀(横須賀市)は今回、特色検査を実施しない。川口吉秋校長は、新しい学力検査の作文例を参照し、「このような内容なら受験生の得点がそれなりにばらつき、独自問題のような検査は不要では」と分析。「シンプルな選抜が一番」との考えで実施を見送ったという。 学力検査を行わないクリエイティブスクール3校(県立田奈、釜利谷、大楠)も、スピーチなどの特色検査を実施する予定。 |
配点比重 自校の特色に腐心
新たな公立高入学者選抜制度では、1.調査書の評定 2.学力検査 3.面接−の配点比重を、各高校の裁量で決めることができる。その配点比重には、自校の特色を出そうと腐心する高校側の事情がある。
【学力検査重視型】
「あえて言うなら、中学校できちんと学習してくるのは当たり前だ」。県立横浜翠嵐(横浜市神奈川区)の渡辺英司校長は強調する。同校の受験生が「もともと(評定の)高い調査書を持ってくる」ことも背景にある。
同校は県内有数の進学校。学力検査は合否判定のためと同時に「学校側が生徒に求める学力を示すもの」でもあるとし、“学力重視”の姿勢を鮮明に打ち出した。
【調査書重視型】
反対に、調査書の比重を最大にした学校もある。県立厚木東(厚木市)もその一校。桑島秀一校長は「中学までの学習の習慣を重視したいから」と理由を語る。
宿題や週末の課題を多く出す同校。「学ぶ姿勢が身に付いている生徒に着てほしいという学校からのメッセージだ」
【バランス型】
バランスの取れた比重を選んだ高校も、教科ごとに評価を高くする「重点化」で特徴をアピールする。
県立藤沢西(藤沢市、高梨美智子校長)は、英国数理社の5教科だけでなく技能4教科についても、評定の高い1教科の評価を2倍とすることを決めた。
林義雄教頭は「うちのような中堅の普通科は、何もしなければ埋もれてしまう」と胸中を吐露。運動部の部活や儀幼児参加が盛んという校風も生かしつつ、「皆さん(受験生)の伸びしろをどんどん伸ばしてあげたい、という思いの表れ」と説明した。