東京では98%の学校が水や食料を保管する倉庫を備えているのに、鹿児島では1%止まり。停電時の自家発電設備があるのは神奈川の78%に対し、愛媛、宮崎、沖縄は1%−。緊急時の避難所に指定されている全国の公立小中高など約3万2千校を文部科学省が調査したところ、都道府県によって防災施設の整備状況に大きな差があることが16日分かった。
学校は体育館などに多くの人を収容できるため、東日本大震災でも雛衣生活の拠点として重要な役割を果たした。調査によると、財政が比較的豊かで、首都直下地震や南海トラフ地震で大きな被害が想定される自治体を中心に施設整備が進んでいる。一方、西日本や日本海側では整備率の低い県が目立ち、今後の充実が課題となる。
文科省の国立教育政策研究所が、各学校に(1)備蓄倉庫(2)自家発電設備(3)貯水槽・浄化装置−などがあるかを昨年5月1日時点で調べた。備蓄倉庫の整備率(全国平均47%)が高かったのは、東京に次いで神奈川96%、静岡93%の順。最低は鹿児島の1%で、長崎と沖縄が3%だった。
自家発電設備(同28%)は神奈川に続き静岡74%、東京66%が高かった。水道が止まったときに、貯水槽やプールの浄水装置で水を確保できる学校(同34%)は東京80%、静岡76%で、神奈川は45%だった。低い方は鹿児島5%、山形7%。
同研究所は「近隣の公共施設の防災設備が充実している場合もあり、100%である必要はないが、できるだけ割合を高めてほしい」と取り組みの強化を求めている。