県立茅ケ崎北陵高校(茅ケ崎市下寺尾)の立て替えをめぐり、茅ケ崎市は26日、敷地内で発掘された遺跡を傷めないよう現校舎の基礎上に木造校舎を建てる県の方針について「市は遺跡について国の史跡指定を受け、後世に継承していくとはっきり位置づけている。十分協議がなされていない中で唐突に出てきた」との認識を示した。市議会全員協議会で木村竹彦副市長が答えた。(山本昭子)
同校建て替えは当初、校庭を活用する計画だったが、2002年度に古代の役所跡「郡衙」などが見つかったため頓挫。市は当初から移転を前提に、同校南側から発掘された古代寺院「七堂伽藍跡」も合わせた一帯を国指定の史跡公園として整備する地元の意向を示している。
市は同協議会で、県に対して断続的に市内の移転候補地を複数提案してきたが、面積が十分確保できないことなどから難航してきた経緯を説明。県から今回の方針について事前説明を受けた市は1月、譲歩策として来場者が自由に史跡を見学し、建物内に資料展示解説スペースを設けるよう提案した。
ただ市社会教育課は「市として、これが最終的に目指す遺跡整備活用事業であるとは考えいない。今後さらに国や県と調整を進める必要があると考えている」とした。
同校生徒は現在まで、プレハブの仮設校舎で学んでおり、県は13年度当初予算案に北陵高を含む7校の高校施設整備工事設計調査費を計上。予算化で、既存校舎の基礎の上に校舎を建て替える方針が明らかになった。