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県立高校で通級指導

神奈川新聞2017年2月17日

18年度から複数校 学習障害の生徒ら支援

 県教育委員会の桐谷次郎教育長は16日、学習障害などの生徒を対象とした「通級指導」について、「高校に進学する生徒の多様な教育的ニーズに対応するため、県立高校に通級指導を導入していきたい」との考えを明らかにした。2017年度中に複数校を指定し、18年度から導入する方針。
 県教委高校教育課によると、通級指導は、学習障害や情緒障害、注意欠陥多動性障害(ADHD)、言語障害などの児童・生徒が、通常学級に在籍しながら必要に応じて別教室で障害に応じた支援を受けるもの。
 これまで学校教育法施行規則で小・中学校には通級指導に関する規定があったが、高校についてはなかった。しかし、昨年12月に同規則が改正され、高校の通級指導が可能になった。
 また、文部科学省の通級指導実施状況調査によると、全国公立小・中学校で学習障害などの児童・生徒は、05年度に3万8738人だったが、15年度には9万270人と大幅に増加。県内では同年度5505人いるという。
 桐谷教育長は「こうした状況を考えると高校でも通級指導など多様な場を整えることで、学びの連続性を確保する必要がある」との導入の理由を話している。
 14年度から県立高校2校(綾瀬西、釜利谷)で文科省の高校インクルーシブ教育研究推進事業として、基礎学力の学び直しや卒業後のキャリア教育などを支援する通級指導をモデル的に行なっている。県教委は、この2校の研究実績などを踏まえ、16年度からスタートした県立高校改革実施計画の中に県立高校の通級指導も組み込み、取り組んでいく。
 同日の県議会第1回定例会本会議で公明党の小野寺慎一郎氏(横浜市旭区)の代表質問に答えた。(鈴木 昌紹)