県内の公立高校で28日、共通選抜の合格発表が行われた。県立厚木高校(厚木市戸室)では、体育館で受験生に合否の書類を渡した。前回、県立高校入試で発生した採点ミス再発防止のため、同校でも受験生全員に各自の答案を返した。(石本健二)
5列に並んだ受験生が1人ずつ担当教諭に受験票を渡すと、教諭は番号を確かめ、合否書類が入った封筒と答案が入った封筒の二つを生徒に手渡した。緊張しながら封筒を受け取った受験生は封を開けて合格が分かると、ほっとした表情を浮かべ、「ああ、よかった」と小声を出す生徒も。一方、不合格だったのか、こらえきれずに涙を流す女子生徒もいた。
合格した女子生徒の一人は「文武両道を目指し、勉強と吹奏楽を頑張って県大会や全国大会へ行きたい。入試採点ミスのことは知っていた。ミスで人生が変わってしまうのはどうかと思う。ミス防止でマークシートが入ったが、勉強に影響はなかった」としっかりした声で話した。
佐藤信行校長によると、ミス防止対策で1人の受験生の答案を2系統で別々に採点して付き合わせる方式を採点したため、これまでより大幅に採点の手間が増えたという。予定していた20、21日の2日間では採点が終わらず、22日の授業を1時間だけに減らして採点に充てた。この日の授業を後日に回したため、期末試験を1日後ろ倒しにする影響が出たという。
県教育委員会によると、この日、採点に関する問い合わせはなかったという。