県教育委員会は1日、2020年4月から4年間の県立高校改革U期実施計画で行う再編・統合の対象校を明らかにした。横浜南西、横須賀三浦・湘南、県央・相模原の3地域で計8校を4校に再編・統合し、23年4月以降に新たな学校としてスタートする。同日の県議会文教常任委員会で報告した。
U期計画案では、16年度から4年間で進めているT期計画と同様に全県を5地域に分け、通学時間などを踏まえ再編・統合の対象校を検討。このうち横浜北東・川崎地域は中学卒業予定者が当初の見込みよりも増加している点、中・県西地域は生徒の通学利便性への考慮や学校を核とした地域づくりの視点からいずれも対象外となった。統合後の校名は今後検討する。
横浜南西地域は、瀬谷(横浜市瀬谷区)と瀬谷西(同)を統合し、瀬谷の敷地、施設を活用。瀬谷西に設置の三ツ境養護学校分教室は横浜緑園(同市泉区)に移す。横須賀三浦・湘南地域の逗葉(逗子市)と逗子(同)は逗葉を活用校とする。
県央・相模原地域では、厚木東(厚木市)と厚木商業(同)を統合し、普通科と総合ビジネス科を設置。厚木東の敷地、施設を活用した上で商業棟を新築し、他校から1年遅れて24年度に開設する。城山(相模原市緑区)と相模原総合(同)は城山を活用校とし、単位制普通科校に再編する。
また、神奈川総合(横浜市神奈川区)に舞台芸術科を、横須賀工(横須賀市)に建設科をそれぞれ新設。海洋科学(横須賀市)の海洋科学科を船舶運航科など4科に改編する。
県立高校改革を巡っては、県教委が15年に当時の142校1分校を再編・統合する方針を提示。T期、U期計画で各5校程度、V期計画で10校以上の計20〜30校の削減案を示し、T期計画では10校1分校が6校に再編・統合される。(須藤望夢)
県立高校改革 実施計画案
◇インクルーシブ新たに11校 城郷や二宮 計14校に
県教育委員会は1日に公表した県立高校改革U期実施計画案で、知的障害のある生徒が通常学級で学ぶ「インクルーシブ教育」の実践推進校に、新たに11校を指定する方針を示した。T期計画のパイロット校(茅ヶ崎=茅ヶ崎市、足柄=南足柄市、厚木西=厚木市)と合わせ、計14校になる。
新たに指定されるのは▽城郷(横浜市神奈川区)▽霧が丘(横浜市緑区)▽上矢部(同市戸塚区)▽川崎北(川崎市宮前区)▽上鶴間(相模原市南区)▽橋本(相模原市緑区)▽津久井浜(横須賀市)▽湘南台(藤沢市)▽伊勢原(伊勢原市)▽二宮(二宮町)。
また、通級指導を既存3校(生田東=川崎市多摩区、保土ヶ谷=横浜市保土ヶ谷区、綾瀬西=綾瀬市)に加え、横浜修悠館(横浜市泉区)で新たに導入する。(須藤望夢)
◇総合的な探求 研究開発校 市ヶ尾など10校指定へ
県教育委員会は1日、高校の新学習指導要領に盛り込まれた「総合的な探求の時間」が2019年度から先行実施されることに合わせ、10校を研究開発校に指定する方針を示した。知識を活用し、自ら課題を見つけて解決する力を育む「探求」をテーマに、3年間の実践研究を重ね、その成果を広める役割を担う。
研究開発校は五つの地域から2校ずつ選び、市ヶ尾(横浜市青葉区)、横浜清陵(同市南区)、藤沢西(藤沢市)、秦野総合(秦野市)、大和(大和市)、川崎(川崎市川崎区)、舞岡(横浜市戸塚区)、横須賀明光(横須賀市)、山北(山北町)、有馬(海老名市)の10校。
うち市ヶ尾、横浜清陵、藤沢西、秦野総合、大和は「探求」を広く研究し、川崎、舞岡、横須賀明光、山北、有馬は国連の提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」の展開をテーマに据える。
高校の新学習指導要領では、「総合的な学習」が「総合的な探求」になった。19年度からの先行実施に伴い、県立高校改革T期実施計画(16〜19年度)の一部改訂案を同日、県議会文教常任委員会で報告した。 (藤塚正人)