新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県と横浜市の教育委員会は30日、県立学校と市立学校の4月以降の対応方針を決めた。市立学校は同8日から再開し、4月いっぱいは午前中のみ授業を行う。県立学校は同6日の始業日から2週間程度、臨時休校を延長する。(佐藤百合、尹貴淑)
横浜市立学校の授業は4月いっぱい、小・中学校、義務教育学校前期・後期課程が午前中(4校時)のみ。特別支援学校も半日程度に短縮する。
昼食・休職は、小学校、義務教育学校前期課程は13日以降、中学校と義務教育学校後期課程が8日から各校の計画に基づき、それぞれ実施する。学童保育「放課後キッズクラブ」は学校終了後に開所。部活動は週3回に制限する。
高校と付属中学校4月30日まで、公共交通機関の混雑を避けるため、登校時間を2時間目からに遅らせる。
各校とも、登校前の児童・生徒の健康観察、教室の換気や手洗いの徹底といった感染症対策を行う。6、7の両日に予定していた入学式や始業式も行う。
市役所で開かれた新型コロナウイルス対策本部会議終了後、林文子市長は取材に
「感染拡大の状況は予断を許さない」との認識を示しつつ、「休校によって子どもたちが大変苦しい状況に置かれており、これ以上、
再開を引き延ばすのは子どもの環境にとっては良い状況ではない」と説明した。
市立学校509校に通う児童・生徒は約26万5千人。市教委は5月以降の方針は1週間前をめどに決定する。
県教育委員会は全ての県立学校の臨時休校について、4月6日の始業日から2週間程度延長する方針を決めた。感染状況に応じて再開日の前倒しを検討するほか、再開に向け週1〜2回の学年別分散登校や時差通学、短縮授業の実施も視野に入れる。
県教委によると、大半を占める県立高校の学区は全県で、生徒は電車やバスなどを利用して広範囲から通学。徒歩通学が多い市町村立小中学校などとは感染リスクが異なり、生徒の安全を守る視点から休校を決めた。県立高は6日と13日の週に学年別登校日を設け、新学期のガイダンスなどを実施。
多くが7日に予定している入学式は規模を縮小し、部活動は中止とする。
対策本部会議後、黒岩祐治知事は県民に外出自粛を引き続き要請するとした上で、「学校だけ再開することは理解を得られない。子どもの命を守ることが最優先だ」と述べた。
一方、桐谷次郎教育長は「児童生徒の健康を守ることと学習の保障をいかに両立するか、知恵を絞って対応した」とし、補習の実施などを各校に指示する考えを表明。
市町村立小中学校の対応については、通学形態が異なる点を強調した上で「各市町村教委の判断を尊重したい」と述べた。
特別支援学校は引き続き、児童・生徒の事情に応じ「居場所」を設ける。県内33市町村教委には県立校の対応について通知した。