新型コロナウイルス特措法に基づく休業要請を巡り、県は22日、国の緊急事態宣言が解除された場合、全ての業種を対象に2段階で緩和し、飲食店の営業時間短縮や商業施設などへの休業要請を解除する方針を決めた。県立学校は「分散登校」や「時差通学・短縮授業」を導入し、6月から登校頻度や在校時間を段階的に増やす形で再開する。(石川泰大、佐々木航哉)
県は同日の対策本部会議で、国の緊急事態宣言解除後の段階的緩和についての指針をまとめた。
緊急事態宣言が継続中の神奈川を含む首都圏1都3県について、政府は25日にも解除できるか判断する意向を示している。県は同日解除された場合、県民や事業者への周知する時間を確保するため27日午前0時から適用する方針だ。
最初の「ステップ1」の段階では感染防止対策の徹底を前提に、飲食店の時短営業を緩和する。営業時間を現在より2時間遅い午後10時まで延長、午後7時までだった酒類の提供も同様とする。小規模イベントの開催も可能とした。
休業を求めていた商業施設や映画館、パチンコ店、大学・学習塾などは、席の間隔を空けることや混雑時の入場制限を行うことなどの感染防止対策を求めた上で解除する。原則、午後10時までの時短営業を求める。
「ステップ2」は時短営業を解除して通常営業に戻すほか、中規模イベントから順次開催できるようにする。ステップ1からの移行は県内の感染状況や東京都の動きなどを見極めた上で総合的に診断するとし、最短でも2週間かかるとの見解を示した。
感染の「第2波」への備えとして、外出自粛や警戒を呼び掛ける県独自の基準を超えた場合は「神奈川警戒アラート」を発動する。アラートが発動された際は、事業者へ感染防止対策の再確認や徹底を求める。
黒岩祐治知事は会議後、「多くの県民が一日も早い解除を求めている。何とか25日にクリアしたい」と強調。クラスター(感染者集団)が発生した接客を伴う飲食店やライブハウスなども含めて解除することについて「県民や事業者を信じているプランだ。自発的、自主的な感染防止対策に取り組むよい循環を作っていきたい」と話した。