県立の高校と中等教育学校の全140校は13日、登校日や授業時間を戻した通常授業を再開した。県教育委員会が当初予定の8月31日から1カ月半前倒して実施。一方で、新型コロナウイルスの感染者数が県内でも再び増加に転じていることから、朝の混雑時間帯を避ける時差通学と組み合わせた。(倉住亮多)
「いったん止まって」「はい、通っていいよ」―。
県立川崎高校(川崎市川崎区)は6月下旬に導入したサーモグラフィで、登校した生徒たちの体温を測った。漏れなく検温するために6カ所ほどある出入り口を正面玄関のみに制限。生徒は3列に並んで検温を受けてから校舎に入っていった。
県教委は通常登校再開まで段階を踏んだ。6月1日から、まずは週3回の分散登校で再開。同29日から授業時間を減らして毎日登校させる時差短縮に切り替えた。通常登校になり、川崎高校は80分授業に戻し、約約100人が定員の食堂も最大60人に抑えた上で再開させた。
大学受験を控える3年の河端琉夏さん(17)は「学校の授業時間が元通りになって、まずはひと安心」と胸をなで下ろした。平松和夫校長は時差通学について「生徒の安心安全を守るためにはやむを得ない。今後も感染症対策を続けながら状況が落ち着くのを待ちたい」と話した。
県教委は、より丁寧な対応が必要な児童生徒が在籍する県立特別支援学校の通常登校にについて、予定通り8月31日からとしている。