今夏の全国総体(インターハイ)と県総体がなくなった高校生アスリートの救済措置として、県高体連主催の代替大会が今年から順次開催される。新型コロナウイルスの感染状況などを踏まえ、開催の可否を協議してきた各競技専門部の方向性がほぼ固まった。一足遅れの暑い夏がやって来る。(織田 匠)
県高体連によると、7月9日時点の集計開催予定は17競技だったが、同30日の取りまとめでは水泳と空手道(組手)が加わり19競技に増えた=表<略>。一方、それまで検討、調整中だった5競技のうち4競技が日程・会場確保の難しさ、選手の練習不足などを理由に断念。これにより、開催できないと判断した競技は9から12となった。
ただ、専門部によっては新人戦に3年生枠を組み込むことや強化普及事業として対応するさまざまな方策を模索しており、今後の変更もあり得る。
水泳は当初、開催しない予定だったが、会場を押さえられた横浜、北相の2地区で実施する方針。アマチュアスポーツ界で競技大会再開の動きが広がっていることや、先行開催している高校野球の代替大会が追い風となった。
8月1日から弓道の予選記録会が始まっており、同8日のソフトボール、バドミントンから本格スタート。各競技専門部は県高体連が作成した感染予防ガイドラインに加え、個々の競技特性に合った対策を取り入れ、原則無観客で行う。
冬に全国選手権があるサッカーとバレーボールは県予選に3年生が出場できるため代替大会は行わない。ラグビー、スケート、陸上(駅伝)など秋以降に予定される7競技は例年通り県総体などを実施する。
全国的に感染者が増えており、県独自の「神奈川警戒アラート」も発動中。情勢は不透明だか、県高体連の塩浦健吾会長は「関係者の皆さんには大変感謝している。出場する3年生は感染予防に気を付け、悔いのない大会にしてほしい」とエールを送った。