夏休み明けに増える子どもの自殺を防ごうと、県教育委員会は24日、全県立学校と県内の市町村教委に「いのちを大切にするメッセージ」を出した。進路や勉強などに加え、新型コロナウイルス感染症への不安を一人で抱え込まないようにという呼び掛けを、校長や担任を通じて児童・生徒に直接伝えてもらう。
ゴールデンウイークや夏休みなどの長期休業明けは子どもの自殺が増える傾向にあることから、県立高校138校、中等教育学校2校、特別支援学校29校と33市町村教委宛てに出した。例文として示し、各学校の実情に合ったメッセージに応用してもらうという。
例文は「新型コロナウイルスの影響で、いつもの夏休みのように『思い出づくり』ができなかったと感じている人も多くいるのではないでしょうか。いまだ不明な点が多いウイルスと言われており、誰しもが不安を感じることと思います」とし、「一人で悩みを抱え込まずに、先生や、スクールカウンセラー、家族など周囲の人に相談してください」と呼び掛けている。
さらに「友だちから相談されて、自分ひとりでは支えきれないと感じる場合もあると思います。その時は、信頼できる大人に相談してください。つらい時、困った時、1人で苦しまずに、ぜひ声をかけてください」としている。
県教委では、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使って相談を受ける「SNSいじめ相談@かながわ」や、電話相談「24時間子どもSOSダイヤル」=電話(0120)078310、0466(81)8111=を設けている。(石川 泰大)