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3年生 笑顔の引退試合

神奈川新聞2021年08月01日

コロナで辞退の城郷、藤沢工科 鎌学と激突

 新型コロナウイルスの影響で第103回全国高校野球選手権神奈川大会を辞退した城郷と藤沢工科の2校が31日、サーティフォー保土ヶ谷球場で鎌倉学園を相手に練習試合を行なった。志半ばで甲子園の夢を絶たれた3年生らが最後まで全力で白球を追い、現役生活に区切りを付けた。(泉 光太郎)
 
 公式戦さながら 最後に保土ヶ谷「幸せ」

 両校は初戦の2回戦を勝ち上がったものの、学校関係者の陽性が判明したとして17日の3回戦を辞退。城郷ナインは試合前の球場アナウンスで知ったといい、主将細谷は「現実なのか、頭の中が真っ白になった。時間がたつにつれて悔しさや悲しさが増してきた」と振り返る。
 最後の夏を不戦敗で終えた3年生らの心情に配慮し、県高野連が28日の決勝と同じ会場を確保。大会審判員の協力のもと、城郷と3回戦で対戦予定だった鎌倉学園が変則ダブルヘッダーで“引退試合”の相手役を買って出た。
 電光掲示板には選手名やスコアが表示され、保護者と学校関係者に観客席を開放。マネージャーによる場内アナウンスもあり、公式戦さながらの舞台となった。
 コロナ禍で県外でも辞退校が出る中、両校ナインには「自分たちだけがやっていいものなのか」との葛藤もあったという。それでも、「こんな機会は例がない。ポジティブに捉えよう」と指導陣に背中を押され、最後のグラウンドに立った。
 城郷は0−9で敗れたものの、細谷は「最後に保土ヶ谷で試合ができて自分たちは幸せ。相手には負けてしまったが、(引退試合ができて)最後の最後でコロナに勝てた」と笑顔で締めくくった。