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「セクハラ被害」生徒130人

神奈川新聞2022年02月09日

県教委調査
4ヵ月で前年度の4倍

 県教育委員会は県立学校でのセクシュアルハラスメント被害について、2021年度第1回アンケート調査結果をまとめた。自身や他の生徒が被害を受けたと答えた生徒は130人に上り、4ヵ月間の調査で既に前年度1年間(32人)の約4倍に達した。
 調査対象は県立高校、中等教育学校後期課程、特別支援学校高等部の全生徒約12万500人。教員のわいせつ行為による処分が後を絶たないことから調査を今回から年2回に増やし、昨年4月から7月までの被害状況をまとめた。
 130人の内訳は、女子70人、男子40人、性別不明20人。被害状況(複数回答)は「自身が受けた」が66人、「他の生徒が受けた」は64人だった。
 自身の被害を訴えた66人のケースでのセクハラ行為者は先生29件、生徒23件、他校の生徒などの「その他」14件だった。被害内容(同)は「必要もないのに体を触られた」が最多の28件で、「性的なからかいや冗談などを言われた」が19件と続いた。生徒間の事例としては「携帯電話などで性的なメッセージや画像を送られた」や「性的な関係を求められた」があった。
 自身が「被害を受け続けている」と回答した20件のうち、行為者が判明した8件については各校で指導。不明の12件も各校で注意喚起した。130人の大半は校名を記入しており、各校に注意を促したという。
 県教委は前年度からインターネット回線を導入して申告しやすくなったことが回答件数を押し上げた、とみている。女子の被害についての申告を含む男子からの回答が前年度比5倍の40人、他の生徒の被害についての回答が同約7倍の64人に上り、セクハラに対する意識の向上がうかがえるという。8日の県教委定例会で教育委員からは「申告数は氷山の一角」との声が上がり、さらなる対策強化を求めた。(成田 洋樹)