県立麻生総合高校(川崎市麻生区)を今月卒業した軽音楽部の4人組バンド「リユンオン」のCD「その先へ」が23日、発売された。中原区が昨年募集したオーディションで最優秀に輝き、レコーディング場所やジャケットデザインなどでも地元川崎にこだわった。メンバーは「夢、目標に向かって頑張る人をこの曲で後押ししたい」と話している。(井口 孝夫)
メンバーは多摩区在住でベースの久壽米木風哉さん、ギター&ボーカルの白井海さん、ドラム&コーラスの荒井優知さん、ギターの波田野拓馬さん。
昨年7月に完成した「その先へ」は、荒井さんが作詞・作曲した。進路を決める時の心の葛藤を歌詞に込め、「憧れた未来を選んでまだ見ぬ場所へ 怖くても迷わず走って」と歌い上げる。「悩みを抱える人が一歩進む曲に」と願い、影響を受けた英国のロックを思わせる疾走感ある歌に仕上げた。
ただ、新型コロナウイルス感染拡大後、メンバーは集まって演奏できず、自宅で個人練習が続いた。
そんな中、2000年から中原区で開かれ、毎年千人以上の来場者を誇る音楽とダンスのイベント「InUnity(インユニティ)」の実行委が昨年12月、活動が制限された学生バンドの応援のためにオーディションを企画。演奏動画を提出する形式で実施、高校生、大学生など5組が応募した。リユニオンは演奏技術の高さが評価され、最優秀に選ばれ、CDを出すことが決まった。
CD制作で実行委は「市内の多くの人とコラボレーションし、『メード・イン・カワサキ』にこだわりたい」と考えた。障害者のアート活動を支えるNPO法人「studio
FLAT」(幸区)の所属アーティスト竹葉聖也さんの作品をジャケットに使い、高津区のスタジオでレコーディングを行い完成させた。
4人は4月から専門学校に進学、バンドは解散となるが、中原区は市内でこの曲をPRしていく。
荒井さんは「最初の曲がここまで評価されるとは思わなかった。考えて作った曲なのでうれしい」と振り返るとともに、「曲作りを続けたい。英ロックバンドのコールドプレイのような壮大な曲を作ってみたい」と力を込めた。
CDは550円で、中原区のタワーレコードグランツリー武蔵小杉店で限定販売する。